柱を決めて話を始める|シナリオ教室の劣等生

柱を決めて話を始める

 

柱について、語れることはあまりない。

 

こうして記事を書いていても 「柱って何か特徴があったかな」 と思うほどネタが無い。

 

隠してもしょうがないので、正直に申し上げる。

 

 

それでもシーンの指定は柱でしかできない

 

セリフときて、ト書きとくれば、あとは柱だけ。

 

そう、シナリオはこの3つしか書けないのです。たったこの3つのカテゴリーからしか表現できません。
なんと窮屈な仕組みでしょうか。

 

地味〜な柱の存在は、それでもここでしかシーンの指定ができません。出来ないってことは柱が無ければ何も始りません。

 

あくまで映像はシーンがあって それに物語を載せる訳ですから。

 

いわば、キャンバスです。それも数でいえば無限大に膨らませる事が出来てしまいます。
当然、尺が決まっていてなおかつ短い映像では、厳選に厳選を重ねなくては収まりません。
そのキャンバスは物理的には無限大でも実際は限られている。このコントロールも脚本家の仕事なのです。

 

考えてみれば、管理者がシナリオを書いている時も この柱の指定でけっこう苦労しています。

 

シナリオの構築に関しては別のエントリーページで紹介しますが、
管理者の場合、最初に話の構想を練ったらともかく思いつくままに場所とおおまかな動きとだいたいの大雑把なセリフを大きいポストイットに書きまくって壁に貼っていきます。

 

もう、超テキトーです。管理者は素人なので 頭の中で整理なんてできません。

 

ですからとりあえず思いつくまま気の向くまま、尺なんて考えませんし 箱書きなんて気にしません。
とにかく頭から出力する事に重きを置いてポストイットに書いていきます。

 

部屋のドアはポストイットだらけになります。

 

一通り吐き出したら、次は具体的な尺なり 原稿用紙の枚数なり、制限に基ずいて見直して 必要か いらないか、必要なのにアイディアがダメならば まとめられないか、眺めて考えます。

 

結局、シーンの選定に膨大に時間がかかってしまいます、が 仕方ありません。プロの脚本家ではありませんのでアナログに挑むだけなのです。

 

柱に話を戻せば シーンの指定ですから考えなければならないのは ”そのシーン(場所)は本当に必要か” という点です。

 

柱の必然性

とりあえずその柱、シーンがお話しに必要かを考えます。

 

上記のとおり、紆余曲折して抽出してありますから ほとんど要らないシーンになってしまいます。
それでもお話しの流れを考えたくて、本当に必要なシーンはどれか を考える為にポストイットだらけにしたのですから、柱の必然性は見て取れるようになります。

 

1つ目の見るべきポイントは柱(シーン)の必然性です。

 

柱の主張性

 ”主張性” とは勝手に管理者が名づけましたが、柱(シーン)をそこに置きたいという作者の意志です。

 

ちょっと難しいですよね。要するに管理者がそのシーンをその位置に設置したいという希望なのです。
簡単にいうと、その柱(シーン)は必然で、その位置に盛り込まなくてはならないが 他に選択肢はないか、そのシーンを居間じゃなきゃダメなのか、屋根の上にした方が面白い絵にならないか、ということです。

 

同じ芝居を展開するならどっちがいいと(管理者が)思うか、なのです。

 

本当はどちらかといえば必然性より希望性を優先していきますが、なにせ管理者は素人の劣等生なものでこの順番になりました。

 

ですから この柱(シーン)は 「ぜったい屋根の上でネコと一緒じゃなきゃイヤ!」 という意志があるならそれを優先すべきですし、作家たるもの 「どこでもいいや」 とは思いたくないですよね。

 

書くべくモノ、より 書きたいモノ が優先します。
ただしその柱(シーン)の整合性(お話しの流れに合っているか)は考えた上で問題なければ、の話です。

 

宇宙空間に漂う宇宙戦艦の屋根の上でネコと戯れるシーンは、そのシチュエーションに合った状況を与えない限り書いてはダメ・・・なのです。

 

丸投げ感満載の ”柱”

 

柱って、地味な印象です。
でもシーンを指定する、物語の舞台を決めることでもありますので重要です。

 

でも地味です。
とりあえず決めて、あとは絵コンテや演出家に任せようとしてもいいっちゃいいし、出来なくもないし、現にシナリオでは柱の詳細や細かい状況説明やいきさつ、背景を書く事も出来ません。

 

柱はあくまでシーン、場所を示す事なのです。

 

カットを指定することは シナリオ上できません。それは絵コンテ、演出家の仕事なのです。

 

カットとはカメラの目線といって間違いないと思います。

 

同一の柱(シーン)の中でカメラの視点が切り変わります。これがカットなのですが、シナリオを考えているとカットまでも口出ししたくなります。

 

カットが変わると当然場面の背景も変わってきます。
見た目、場面が変わったような錯覚を起こします。背景が変わると場所が変わるように感じるのですが柱は場所が変わらない限り、変えません。
いくらカットを重ねようが基本的に同じ1つの柱の中と解釈します。

 

実際、シナリオを考えていると頭に浮かぶ状況はシーンの中の1カットだったりしますので それが頻繁に変わるようなイメージだと柱を変えたくなるのです。

 

でも、それは脚本の仕事ではありません。

 

シナリオはあくまでも基本設計なので柱で場所を指定して、ト書きで状況を説明して、セリフで色を付ける。それだけなのです。

 

そんな書式の現実があるからかどうかは知りませんが、我々の書く原稿用紙の柱の指定も 至ってシンプルなモノです。

 

ご存じの通り、○書いて場所と簡単な位置と(中とか外とか)書いておよその時間帯を 朝とか夕とか書くだけです。

 

柱で原稿用紙タテ1行を越える事はほとんどありません。特別な指定はト書きの冒頭に書けるので柱の文言は長くなりません。

 

ですから柱に特別な脚色なんてもともと求められてはいないのです。

 

それでも気の利いた柱 (シーン) にしたいじゃありませんか。
なかなか絵コンテや演出の上を行く事は出来ないのですが、後作業でどんな加工をしているのかを知ると基本設計時にも頭の回りが良くなります。
闇雲に柱を指定しないで根拠ある柱が立てられるようになる・・・と思います。

 

何事にも先工程を知っているのと知らないでやるのと結果が違ってきます、特に製造業は。
そんなわけで脚本の次工程、絵コンテの作業の中からヒントをもらいます。

 

 

 

5W1Hの考え方

 

余談になりますがコンテマン(絵コンテを切るスタッフ)は意外と脚本家の工程と共通する部分があります。
初稿があって2稿、3稿と重ねていって決定稿・・・という仕組みが絵コンテにもあるのです。

 

脚本家はホン読みにて決定稿となればギャラも発生しますので名目上お役御免となりますが、(ホントはそれじゃいけないのですが) 脚本と次工程の絵コンテを学校のテストに見立てると提出した脚本家の解答をコンテマンが添削するようなものと言えます。

 

脚本とコンテの大きな違いは何も無い所から物語を興す脚本に対して、
絵コンテではその脚本をベースにシーンの中でのカット割りやタイミングなど実際の映像化に向けた設計図を絵とト書きで指定していきます。もちろんセリフも入れていきます。

 

つまり提出したシナリオはコンテマンによってチェックされます。

 

コンテマンがシナリオから何を読み解くのか、その1つがこの ”5W1H” です。
他にもたくさんありますがここではカテゴリーの個別のテーマが ”柱” なのでこれだけ解説します。

 

 

いつ、 どこで、 誰が、 なにを、 なぜ、 どのようにして

 

 です。

 

この要素がシナリオに書かれているか、まずそこから見られます。

 

分解してみると 柱に必要な要素は ”いつ” と ”どこで” だけのように見えますがこれらは一連の要素に含まれています。

 

全ての5W1Hの要素が最適に記されているか、というところを見ていきます。

 

ここでシナリオの書かれている順番が果たして正しいのかが問題になります。
つまり柱を書いて、ト書きを書いて、セリフを書く・・・という順番ではコンテマンは見ていないのです。

 

特に柱の整合性、最適化においてはシーンを逆算して見渡して そのシーンは正しいのか、が判断されます。

 

完成映像を見て 「あれ?こんなシーン、書いてないんだけなぁ」 なんて場合はシーンの最適化がなされた結果であると言えます、それだけじゃないと思いますが。

 

シナリオは、特に管理者はじめ初心者は原稿用紙の書く通りに考えがちです。

 

柱はこうして、
ト書きはこうして
セリフはこう言わせて、リアクションは・・・などと考えてしまいますが 実際の映像化の処理ではシーンをサカサマにして検証しています。
シーンだけでなく物語そのものも逆から計算をしています。

 

シナリオ風にいえば、テーゼからアンチテーゼが正しく書かれているか、その置かれているシーンは合っているのかどうなのか、ということです。

 

無論、もっといい状況が設定出来れば 例え脚本が決定稿でも直されます。

 

これを踏まえてシナリオを書く際にも気を付けます。柱はとりあえす指定しても推敲でコンテマンと同じような視点で考えてみるのです。

 

そうすれば ”いつ” と ”どこで” が他の要素 ”だれが” ”なにを” ”なぜ” ”どのように” とちゃんと絡んでいるか分かるのです。

 

このページではこれだけしか説明しませんが、脚本家は何もないところから発想するにしても なにかしら手がかりを作って1つづつ作り上げていくモノですから このコンテマンの思考は応用ができます。

 

なんでもいいからヒントを求めて考えてるじゃありませんか、我々は。

 

これはプロも素人もありません。工程は決められています。

 

コンテマンがシナリオの何を見て文章を映像化しているのか、これは知っていて絶対に損はありません。
独りよがりのシナリオにならない為にも、これからも検証考察していきます。

 

 

 

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 シナリオ執筆完全作業マニュアル〜シナリオを書き始める前に必ずやること〜 のもくじを紹介します。

第一章 シナリオ構築の全体像
  • 参考に過ぎません
  • 必要な作業とは
  • 小から大へ向かう
  • この作業に取り組める人とは

第二章 実作業に取り組みましょう
  1. テーマの設定
  2. ログラインの決定
  3. お話しの骨格を設定する
  4. キャラクターを作ってみよう
  5. プロット出しでアイディアを量産する
  6. 箱書きで構成を検討する
  7. 下書きシナリオ執筆
  8. 推敲と清書

第三章 お話しの作りはお手本からマネをする
  • 現実的な“マネ”とは

第四章 コンクールに応募する場合
  • 応募要項は鉄板ルール
  • スケジュールに気をつけよう
  • 添付するあらすじについて


※PC画面で23ページ、16075文字



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