作品の全体像をイメージする

テーマは見えてきた。

 

次は全体像をデザインすることを考えた。

 

ログラインを決めたかったからだ。

 

それはあらすじを考えることではない。あらすじなんか最後、出来上がって書けばいいと思った。

 

そうではなく、自分が作品を通してテーマに沿った言いたい事、伝えたい問題提起をどのように置いていくかをイメージすることだと思ったのである。

 

 

ログラインを決めるにあたって

 

ログラインとは「脚本を書いてみよう」カテゴリーで”骨”とか”太い骨”なんて説明しました。

 

骨というだけあって物語の骨子を短い文章で表したものです。まだ細かいところまでは考えられません。とりあえず変更や調整は後々やるとしてテーマに沿った方向性やどんな描写をしたらいいかを考えました。

 

人に「どんな映画?」と聞かれて「これこれがこうなって、こんなことになってこうしてあーしてこのようになりましたという物語」・・・・・・抽象的ですみません。でもこれがログラインであり、決まっていてちゃんと言えないと作品が作れないのです。

 

まだセリフとか、ト書きとかの段階ではありません。

 

そしてログラインを決めるにしても一定のルールというか色というかガイドラインがないと話が進みません。

 

まずやったことは、画用紙を用意しました。昔、世界堂で買ったマルマンのスケッチ用の画用紙です。

 

絵は書きません。管理者は絵コンテは書けないので文章で無造作に書き出してみてそれを大きな紙面で眺めてみたかったのです。

 

プロット出しでもありません。もっと原始的で文言を書いては丸で囲み、書いては丸で囲み、俯瞰してみて全体層をイメージしたかったのです。

 

で、白紙の画用紙を用意して最初にした事は物語の種類、パターンをどうするか、でした。先ほど申した色とかガイドラインです。

 

映画になるような物語には何通りか、パターンが存在します。ストーリーテラーと言いたいところですがそうではありません。もっと手前のザックリしたものです。

 

テーマに沿った変化を描かなければならないのなら、どのストーリーのタイプが適しているのか、そこを考えました。

 

「怪獣が出てきて町をぶっ壊す、怪獣と闘う人の姿を描く話」がいいのか、

 

「主人公にどうしても叶えたい動機と目的があって困難に立ち向かい結果を勝ち取るような話」がいいのか、

 

「特殊能力者や魔法少女がいて非現実的な力による叶えられない事を叶える話」がいいのか、

 

「普通の人がいきなり難題に直面し乗り越えて勝利を手にするような話」がいいのか、

 

「普遍的な人生の流れの中で誰もが一度は経験するターニングポイントを描く話」がいいのか、

 

「動機が見えない事件を観客とともに追い求めていく話」がいいのか、

 

「パートナーや恋人や相棒と一緒に事件を解決したり助けあったり離れてみたり、またくっついてみたりのような話」がいいのか、

 

「最後に勝つのは成功者ではなくおバカなような話」がいいのか、

 

「会社やグループや組織の中で巻き起こるローカルなあるある話」がいいのか、

 

「圧倒的な力をもったヒーローものの話」がいいのか、

 

ざっと並べてみてもこれだけパターンがあります。

 

映画のストーリーとはだいたいこのパターンに沿っているか、複数の組み合わせでできています。

 

もっと多様なタイプはあるのですけれど、キリがないのと、これらに何らかの要素、アニメでいえば萌え要素だったり、実写でもアクションでったり、俳優の個性だったりを加えて組み合わせています。

 

皆さんもよく知っているタイトルを当てはめてみて下さい。けっこう当てはまるはずです。

 

テーマが「福島をいやす」=つまり癒されていない現実を癒した結果として見せなければなりません。これが大枠の変化です。

 

書き忘れていましたが、当然フィクションです。題材はリアルでも物語はフィクションにします。

 

癒された結果とは何を指すのか、それが福島の名前を変える、からヒントを貰い拡張して 『福島を独立されちゃえばいいんじゃない』 と解釈しました。

 

いわば独立戦争を仕掛けるような話にしようと思いました。

 

大枠のストーリーのタイプは観客と真相をいっしょに追求する形が面白いのではと思ったのです。

 

何だか分からないけどある日突然福島が蜂起した・・・・その原因や動機はなんだ、といった形がしっくりくると感じたのです。

 

消去法でも試しました。

 

福島を変えるにあたって、

 

・怪獣は壊すだけで変えられない、×
・困難に立ち向かう、これは使えるが困難を作らなければならない、△
・魔法少女は変えられるかもしれないけど問題提起に説得力が無くなる、×
・普通の人がいきなり困難に直面し決死の戦いに巻き込まれる、これは使える、△
・普遍的な人の営みのターニングポイント、これも使える、△
・動機追求型、これは面白くなりそう、○
・パートナーとくっついて活劇する、なんか面倒くさそうなので、×
・最後に勝つのはおバカはバカでは物語を引っ張れない、×
・ローカル組織のあるある、組織は県とか国かな、×
・ヒーローもの、見た目普通で結果的にヒーローならありかも、△

 

こんな感じです。

 

ご覧の通り直感でしか判断していません。でもこれらの要素は小さくすれば物語の中に盛り込めるので進捗に任せて臨機応変に考える事にしました。といえば聞こえはいいのですがイメージできるかどうかの段階なので”とりあえず”が続きます。

 

さて真相探求型というストーリーが見えてきました。観客と一緒に探求するのでスタートが無ければ一緒に探りに行けません。

 

主人公と事件を探るのですから事件が起きなければ物語が始まりません。そこで管理者の好きな張り手形導入を使おうと思いました。のっけから事件を起こします。それも有り得ないような大きな事件を、です。

 

このファーストシーンだけ思い描いてみます。

 

蜂起するっていっても何が蜂起するのか、力が無ければダメ、って事はリアルで言えば軍隊とかテロ組織、武力を行使できる組織、日本でいえば自衛隊か、

 

他の設定も考えられたのですが自衛隊を動かすことにしました。普通、自衛隊はそんな事はしません。普通でない事が起きる、それが有り得ない事件と考えた訳です。

 

 「5W1H」にも照らし合わせてみます。時間のタイミングや結果的にどうなればいいのか、それぞれ精査しました。そしてこうなりました。

 

いつ=東京オリンピックで世界から注目されている時に
誰が=主人公が
どこで=福島で
何を=自衛隊が蜂起した理由や深層を
どのようにして=探る。(まだ決まっていません)

 

なぜ=最後に明かすべき福島の独立

 

こうして出来たのがいわゆる「骨」です。でもまだログラインにはなりません。もっと整合性や物語の背景を決めなければなりません。

 

このようなことを画用紙にガリガリと無作為に書いて、俯瞰してみて必要な設定や矛盾(人物の心象ではなく)が無いか確かめます。そして決めこんできます。

 

それは謎解き問答のような作業です。

 

自衛隊が事件を起こすのはいつがいいのか=イベントのある日がいいであろう。
自衛隊を動かす影響力のある人とは誰だろう=AIを登場させる。
AIはどんな立ち位置がいいのだろう=確実にくるであろう近未来を現代に当てはめよう。
主人公は単独か=理由が無ければ動けないので社会的立場を与えよう、福島に縁故がある設定にしよう。主人公なので重いバックストーリーを背負わせよう。など。

 

まだまだたくさん決めごとはあったのですが、最終的にこのようなログラインが出来あがりました。

 

 『東京オリンピック開会当日、AIの意志で自衛隊が福島を封鎖してしまう。福島出身の主人公がその真相の探るのだが深淵に近づくにつれAIと自衛隊の行動が自分の志と共通する事を知る。福島を幸せにする方法、それは独立だった』

 

こんな感じになりました。

 

 

タイトルを決める

 

タイトルに関してはあまり悩みませんでした。

 

あまり長いタイトルは似合わないと感じたので 『福島消滅』 としました。消える消滅からイメージされる印象はいいものではありませんが、物語はハッピーエンドに向かうようにしたかったのであえてネガティブなお題にしました。そのギャップの効果を狙っています、がどう解釈されるでしょうか。

 

仮題でしたがそのまま採用しました。

 

 

言いたい事を考えてみる

 

ログラインを考えながら、この物語の言いたい事、伝えたいものとはいったいなんぞや、を考えていました。それは物語を通じて載せていかなければ価値がないと思ったからです。

 

ログラインには個別の各論を載せる余地はありませんのでここで決めておかないとブレてしまうと感じていました。

 

そこで画用紙に思い付くまま書き出してみました。

 

テーマで「福島を癒す」としましたが具体的に何を提案すれば福島が幸せになるのでしょう。

 

管理者は福島を通じて社会問題を提起したかったのでいくつか決めた事があります。

 

まずはこの物語を書こうと思った管理者の動機、キッカケですがテレビで見た風評被害です。インバウンドの誤解をどうにかして解かなければなりません。前述しましたが名前を変える、ブランドを変えることで解消できますが、もっと突っ込んだ極論の方が面白いのではと思い付き、独立としました。当然名前が変わります。

 

風評被害を拡大させてその被害の内容にも言及しようと考えました。記憶している中で福島の原発近隣の人が東京や近県に避難した時に子供たちが差別されていじめに合ったという話を思い出しました。自殺という社会問題にも言及しようと考えました。

 

執筆当時、テレビでは安倍首相の加計学園問題や森友問題で内閣支持率が急落した時期でした。延々とテレビでは閉会中審査など全く生産性のないものにお金を使いまくる国会議員の姿や上げ足とりが公然と繰り返されていました。もっと金を使うべき緊急の課題があるにも関わらず、優先順位を無視して世の中が進んでいっています。オリンピックもいいですがもっとお金を使うべきものがあるはずです。そういった今の日本の矛盾点を表そうと思いました。

 

決める事、任せる事、どうもトチ狂った価値観がマスコミ含めて蔓延しています。誰が決めるの?どこに価値を置くの?決められない日本を揶揄してAIに代弁させようと思いました。

 

福島第1原子力発電所の解体工事がいまだに続いています。なぜ廃棄前提で設計しなかったのでしょう。あそこまで壊れたらもうアキラの世界です。いつまでもいじっていないで穴掘って埋めるしかないじゃありませんか。原発周囲を核燃料廃棄物処理施設として整備して福島の復興財源にあてればいいのではと思いました。

 

社会保障にしても憲法にしても時代に合っていないのは明白です。福島独立を通じてダメな日本の実情を訴えようと思いました。

 

他にも北朝鮮を支配したければ武力でなく経済で支配するべきとか、自治体だって自立しなければならない必要性とか、いろいろ思い付きました。

 

管理者が感じた事をなるべく描写に盛り込もうと考えて物語の骨子をイメージしたわけです。

 

テーマから肉付けをしてログラインを決めて、ログラインを肉付けしてストーリーを作って行きます。

 

同時に福島いいところをアピールしたかったので場面はなるべくリアルに沿った内容にしました。人の温かみもたくさん描写したいと考えました。

 

本当は取材に行くべきなのですが、予算も時間もありませんでしたので今回は断念しました。

 

取材は本当にオススメです。地域、地元ネタを書く場合には単に出向くだけでいろんな有益な情報を肌で感じられます。今回、行けなくてそれだけは悔いが残ります。

 

こうして強く感じた事をテーマに載せると執筆がスムーズに進む場合があります。

 

想いが強いほど筆が進みます。対してなんとなくしか感じていないと、なんとなくなシナリオになりがちになってしまうのではないでしょうか。

 

シナリオは作者が王様です。ここで感じた事を書かずしてどこで書けばいいのでしょう。

 

忌憚のない作品が求めらているはずなのです。

 

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第一章 シナリオ構築の全体像
参考に過ぎません
必要な作業とは
小から大へ向かう
この作業に取り組める人とは

第二章 実作業に取り組みましょう
テーマの設定
ログラインの決定
お話しの骨格を設定する
キャラクターを作ってみよう
プロット出しでアイディアを量産する
箱書きで構成を検討する
下書きシナリオ執筆
推敲と清書

第三章 お話しの作りはお手本からマネをする
現実的な“マネ”とは

第四章 コンクールに応募する場合
応募要項は鉄板ルール
スケジュールに気をつけよう
添付するあらすじについて

 


※16075文字

 

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