脚本にもマーケティング|シナリオ教室の劣等生

脚本にもマーケティング

 

脚本の中身は基本的に何を書いてもいいのだが、何でもいいが難しい。

 

マーケティングとは売るものを売り易くするための技術である。

 

この考え方は脚本にも存在する。

 

自分の取り組むべきお話しは誰に見せるモノなのか、それを理解していなければ地雷を踏みかねないのだ。

 

マーケティングを知っていれば、なんでも書けるという事はなくなり、ある程度のガイドラインにもなる。

 

いわば書く前の準備といったところである。

 

 

 

 

 

そのシナリオ、誰に見せるのか

 

シナリオスクールに通って課題を書く場合は、書く訓練という側面が強いのであまり対象は意識しません。現に管理者は好き勝手に書いていましたし、なんら問題にはなりませんでした。

 

それでも、コンクールに応募する場合や、もちろん実際に映像化するために執筆する場合はこのマーケティングを意識しないと間違いなく失敗します。

 

つまり、本番では対象を考えて書かねばなりません。
この重要な事柄はシナリオスクールでは教えていませんでした。

 

段階的に考えてみたいと思います。

 

コンクールに応募する

 

専門学校やシナリオスクールに入った場合の当面の目標となりうるシナリオの一般公募に際しては、そのコンクールの規定は無視できないものですが、それ以外にも考慮すべき点が見えてきます。

 

けっこうテーマから自由としている公募も多いため、それじゃぁ・・・と好きなジャンルの好きなテーマでもいいかというと、そんなことはないのです。

 

まず考えなければならないのが主催者の思惑です。

 

コンクール、コンテストの開催趣旨を把握しておかなければなりません。

 

このケースのマーケティングとは、対象が主催者になるでしょう。一般のお客さんということもありますが、審査員のフィルターを通過しなければそれも叶わないのです。
故に審査員は誰の意見を尊重しているかというと、主催者になります。
もし、映画祭などの付帯イベントならば その映画祭は何の目的で開催されるのかリサーチしておきます。

 

およそ地域振興だったり、単にTV局の定例イベントだったりしますが 簡単に言えば ”そのコンクールは誰が (どこが) お金を出しているのか” というところをチェックします。

 

自治体であったり、企業であったり、制作会社だったり、いわゆるスポンサーが存在するはずなのです。

 

単純に芸術性だけを追い求めているような印象がありますが、それはそのイベントの歌い文句、でしかないと考えるべきです。
確かに才能ある新人を発掘したくて開催する側面もウソじゃないと思いますが実際は ”テーマは自由” な訳がないのです。何らかの目的があります。

 

少なくとも開催者は何らかのリターンを求めて開催します。それが新人の発掘かもしれません。開催自体が広告なのかもしれません。
思惑の詳細はともかくお金を出している人がいる事実は考えて書かねばなりません。コンクールに通りたければの話ですが。

 

これはなぜそう考えるべきか、というと 簡単です。管理者が主催するならタダではやりません。もちろんご覧頂いている皆さんがコンクールを主催しようとしても似たような結論になります。

 

世の中、タダでは何も進まないのですよ。

 

シナリオスクールに通っていたころ 富士山・河口湖映画祭シナリオコンクールというイベントの企画書を書く課題がありました。
これはコンクールにシナリオを応募したのではなく、単に応募するとしたらその企画書はどうやって書けばいいのか、の課題でしかありませんが、いろいろ授業で事前情報を聞かされました。

 

この時に講師が 「毎年開催されるこのイベントに応募されるネタに必ずと言っていいほど 青木ヶ原樹海での自殺モノがあって、それも相当に多い」 とか言っていました。

 

およそ自殺を思いとどまってハッピーエンドに向かうようなありふれたアイディアを嘆いたものですが、これはマーケティングを無視したテーマ設定としか言いようがありません。

 

少し考えれば理解できます。

 

まず、主催者は自治体だったと思います。管理者はコンクールに興味ありませんので検索しませんが、興味ある方はググってください。けっこう有名なイベントです。
自治体が地域振興の為に映画祭というイベントを開いて観光客の誘致と富士山、河口湖のピーアールを企画したものです。間違っていたらお詫びします。

 

つまり富士山、河口湖のいいところを広告してたくさんの人々に知ってもらい、地域の魅力を伝えて来てもらいたいがためのイベントなはずです。

 

そこに持ってきて、自殺ネタは無いでしょう・・・

 

いや、過去にあるかもしれません、自殺ネタで入賞したシナリオが。
でも管理者が審査員だったら、シナリオの芸術性、完成度より作者の感性を疑います。自殺ネタというだけで、読みません。

 

それが例えハッピーエンドだったとしても富士山、河口湖へ行く目的が自殺ではピーアールにはなりません。

 

このような事を考えるのが “マーケティング” なのです。なにも経営コンサルタントだけが考えるべき事ではありません。
我々脚本勉強家も意識しなければ仕事になんかなりません。

 

ですので管理者の提出した課題の企画書は、確かラベンダー畑を営む人や湖で働くフィッシングガイドをモチーフにして交流を描いたもの・・・だったと思います。
スミマセン、もう覚えていません。
その企画書の評価はというと、嫌いな講師だったので見ていません。

 

でも、上手くなくても的は外していないと思います。

 

このように相手を知らないで書いてしまうと、せっかくがんばって考えて書いても無駄になります。書かない方がマシになってしまいます。
それは脚本勉強家としてはさびしいじゃないですか。

 

だからせめて “マーケティング” くらい知っていていいのです。

 

これがリアル脚本家になった時には考慮すべき必須課題になってきます。

 

誰の利益に貢献するためのシナリオなのか

 

資本社会である我が国は何らかの儲けられる公算があってモノを作ります。

 

映像コンテンツも然り、この現実からは逃げられません。

 

脚本家の書いたシナリオは結果的に物語となり、その物語をお客さんがお金を払って見に来てくれます。なかなか来てはくれないようですが。

 

そこには必ず出資者の存在があります。スポンサーです。

 

スポンサーはボランティアではありませんので投資して作った映画やコンテンツが売れなければなりません。
それを実現させるために脚本家には品質を求めます。

 

品質を求められた脚本家は基本スポンサーの意向には逆らえません。プロデューサーも監督も同じです。
脚本家は物語を作る専門家なのでその物語の内容がスポンサーの思惑と合致していなければ、ホン読みで蹴られます。

 

先ほどのコンクールと同じです。ここにもマーケティングがモノをいいます。

 

簡単な話、自動車会社がスポンサーだった場合、シナリオ上でライバルの自動車会社の車と競争させて、ライバル会社の車が勝つような内容にしてはいけません。

 

食品会社がスポンサーだったら、シナリオ上でその会社の食品に毒を混ぜてはいけません。

 

幼児、子供向けのコンテンツに大人の裸を登場させてはいけません。

 

エヴァンゲリオンにピカチュウを登場させてはいけません。

 

これら、全てマーケティング無視になります。

 

玩具メーカーなどがスポンサーである場合は、魔法のステッキを売りたいが為に変身シーンを増やせ、みたいな要望も出るらしいです。
脚本家は自分の創作にこのような大人の事情を それと分からないように盛り込みます。
スポンサーが期待した以上のアイディアが具現化されれば、評価されるでしょう。

 

スポンサーや企画者が何を求めて、どのような結果を望んでいるかを考えないで脚本は書けないのです。
なんでも書いていい訳無いのです。

 

 

 

脚本家も商品

 

そして、脚本家自身にもマーケティングが存在します。

 

ある脚本家さんは 何が ”売り” なのでしょうか。

 

ある脚本家さんは 誰に ”受ける” ホンが書けるのでしょうか。

 

ある脚本家さんは なぜ書かせてもらい続けられるのでしょうか。

 

究極をいえば脚本家稼業でもマーケティングが働きます。

 

これがバカになりません。
何がいたいのかというと、上手いシナリオを書く人はたくさんいます。才能に恵まれた人もたくさんいます。
でも食っていけません。

 

仕事を続けられている脚本家と そうでない脚本家の違いはここにあるのではないでしょうか。

 

自分を商品に見立てて、どこに置けば売れるのか、誰にどうすれば受けるのか、何をすれば使い続けてもらえるのか・・・

 

成功している脚本家は この難題に結論を導いています。

 

最適な場所だったり、タイミングだったり、何らかの方法でクライアントの信頼を獲得しないと ただシナリオが書ける、上手い、賞をとった事がある、では生きていけないのです。

 

シナリオスクールでも教えない、教えたら身も蓋もなくなる事実を知らないと脚本家にはなれないのではないでしょうか。

 

そのひとつが マーケティングなのです。

 

書くだけでも相手をよく知らないと失敗してしまうのです。

 

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第一章 シナリオ構築の全体像
  • 参考に過ぎません
  • 必要な作業とは
  • 小から大へ向かう
  • この作業に取り組める人とは

第二章 実作業に取り組みましょう
  1. テーマの設定
  2. ログラインの決定
  3. お話しの骨格を設定する
  4. キャラクターを作ってみよう
  5. プロット出しでアイディアを量産する
  6. 箱書きで構成を検討する
  7. 下書きシナリオ執筆
  8. 推敲と清書

第三章 お話しの作りはお手本からマネをする
  • 現実的な“マネ”とは

第四章 コンクールに応募する場合
  • 応募要項は鉄板ルール
  • スケジュールに気をつけよう
  • 添付するあらすじについて


※PC画面で23ページ、16075文字



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