シナリオ教室の劣等生|サイト閲覧された方からのご質問

サイト閲覧された方からのご質問

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ペンネーム 戸垣はしらさん

 

Q1

ドラマのシナリオについてですが、柱とト書きとセリフの3部構成とのこと。他に余計なことは書けないのですよね。ただ、ドラマはこれだけでは成り立ちません。へたすると役者のセリフより重要なものがあります。それは音楽です、BGMです。役者のセリフだけではとうてい泣いたり笑ったりできないものを、音楽の工夫ひとつで泣き笑いさせられるのですから……。でもそれを脚本家は指定できないのですか?書き込めないのでしょうか?音楽は演出家が考えることで脚本家が指定したりすることではない、脚本家は場面での役者のセリフを考えたらいいんだ、そういうことなのでしょうか?しかし音楽と場面とセリフとは有機的な関係ですよね。たとえば、どのタイミングでタイトルを出し、そこでどういう音楽を流して始まるのか、それだけでその作品の価値の半分近くが決まってしまうと思っています。たとえば角川映画の「犬神家の一族」を思い出してください。あの独特なテーマ音楽……、あれがタイトルの文字とともにドンと流れてきた時の衝撃は今でも忘れません。ドラマも同様です。脚本家はどうして音楽について書き込んでいけないのでしょうか?演出家が脚本家を兼ねるのがいちばんだと思うのは、場面と音楽とセリフとを分けることなどできないからです。別々の人が考えたらおかしいと思うのです。それはともかく、本当に脚本は音楽に関して何も書けない、書かないのでしょうか?それともうひとつ質問があります。下の「シナリオ執筆完全作業マニュアル」ですが、失礼ですが本当に無料なのですか?なんだかんだで結局、なにか支出することになるのではないのですか?だって無料なら、神野さんはメリットがないでしょう?メルマガを登録することが条件だそうですが、配信登録も無料だから儲けはないですよね?でも配信登録させたらなにかメリットがありますか?配信をやめてもマニュアルはタダでもらえるのでしょう?慈善事業かなにかでされているのですか?それともよく、タダと見せかけて広告料で稼ぐ人がいますが、ああいったカラクリがあるのですか?失礼ですが率直に質問します。タダより怖いものはないので、いちおうお訊き致しました。以上、質問は2つです。長くなってすみませんでした。

 

 

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A1

こんにちは。
「シナリオ教室の劣等生」管理者のジンノヨシユキでございます。ご質問、ありがとうございます。
二つのご質問の一つめは「シナリオに音楽を盛り込んではいけないのか」ということになると思いますが、別にシナリオとは別に添付しても構わないと思います。問題はその音楽までシナリオライターが作れるのか、というところです。作曲から編曲、もしかしたら歌詞まで、確固たる素材を提供できるのならそれはそれで素晴らしい才能ですのでプロデューサーや監督の評価に値するもの、もしくは求められて(発注されて)応えられるのならば、採用される、されないは別として作ってもいいと思います。ただ、映像製作におけるシナリオというパート(仕事の役割)として音楽は範疇から外れています。音楽は音楽プロデューサーを通じて専門家に作らせる、というのが一般的です。ただおっしゃるとおり音楽とドラマは密接に関わりあって作られていますのでシナリオの段階でもシナリオライターが意見を盛り込みたい、「このシーンはこんな音楽を付けて貰いたい」というケースもあります。音楽に限りませんがシナリオ上どうしても必要と思われる演出だったり、色だったり、音楽イメージがあるのならばト書きにイメージとして、文字として書き込みます。実際の商業シナリオを読んでみてもよくト書きに「ビバルディの四季のようなイメージでお願いします」などの文言があったりします。脚本サイドとして必要な意見があるならば全てト書きに書くことになります。ではシナリオ、脚本家は音楽に関与できないのかと言えば否となります。制作企画会議“ホン読み”などを通じて意見交換できますし、全く反映されないというようなことはありませんし、音楽発注前、または出来上がった音楽に対して脚本家の意見を聞く監督さんもいらっしゃいます。シナリオとセリフや演技とそのシーンにつける音楽を統合する役割とは脚本家では無く監督業になってしまいます。テレビに映るような完パケの形を具体的に決めるのが監督さん、またはプロディーサーの役割になります。監督とは脚本家から出されたお話の筋を基に演出で具体的な演技を付けたり、音楽家から出された音楽を統合するといったいわば“まとめ役”です。映像製作は基本的に分業制なので脚本家に求められるオファーに具体的な音楽制作は含まれていませんし、含まれてもたぶんこなせないと思われます。逆はよくあります。音楽家がシナリオまで考えることは稀ではありません。おっしゃるとおりセリフより音楽の方が人の感覚に響きますので優先順位は音楽にあるのかもしれません。でもPVみたいに音楽一辺倒だけでドラマは成り立たないのも事実でございます。その大枠のお話の筋を考えるのが脚本家の仕事です。そして例え脚本決定稿であっても実際に世に出される映像作品においてはその体を成さないほどの変更が加えられた物になることもまた事実です。演出、コンテ、音楽、私の専門でもあるアニメではデザインなどもそうですがシナリオ以外の分野においてもある程度理解が無ければやっぱりシナリオは書けないと思われますし、これもあなた様のおっしゃるとおりですね、特に演出の知識に関してはシナリオを一度でも書いたことがあればその必要性を実感することでしょう。

 

二つめのご質問について
はい、無料で配信しています。電子書籍についてはボイジャー出版というところの電子書籍プラットフォーム「ロマンサー」経由でURLだけでおよそどんなデバイスでも電子書籍リーダーがなくても読めるようになっています。私側のメリットについてですが、今後シナリオ執筆教材などの販売を企画はしていますが未だ実現化できていませんし、その教材にしても無理矢理買わせるようなことはいたしません。ご案内はさせて頂きますがあくまで取捨選択はあなた様にありますし、逆に私がそのようなことをされたら即刻配信停止にします。私がこのサイト「シナリオ教室の劣等生」を始めた経緯とはシナリオスクールにお金を払って、自分の時間を使って通ったにも関わらず対価に見合う情報が得られなかった経験から、スクールで得られなかった情報を自分で調べて、考察した結果であります。私の経験やその後の取材などで得られた情報があなた様の求めることと違うのであれば、お金なんか掛ける必要はありませんし例え無料でも見るだけ時間の無駄というものです。最近暑くなってきたのでアイスでも買った方が賢明というものです。

 

いかがでしたでしょうか。答えになっているでしょうか?
またのご意見をお待ちしております。
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Q2

神野佳章さま、さっそくご丁寧なご回答を下さりありがとうございました。シナリオと音楽についての質問は、私の書き方がおかしかったために趣旨がうまく伝わらなかったようですが、ト書きにいろんなことを書けることを実例も挙げてくださり教えていただけたのでよかったです。私が音楽に関して特にお尋ねしたかったのは、どういう音楽をどういうタイミングで使うかという演出効果に含まれるようなことがらを脚本家が書き込めるのか?ということでした。「犬神家の一族」という映画の例を挙げましたが、あの題字と音楽とが一体となって絶妙のタイミングでどんと出たわけなんです。あれは衝撃的な始まりでした。映画のシナリオはいくつか読んだのですが、ここでタイトルを入れるということをちゃんと書き込んだものとそうでないものとがありました。私にとって、タイトルをどのタイミングでどのように出すのか、題字はどんな感じで音楽はどんな音楽を使うのかということはとても重要なんです。あと、出演者その他の名前の出し方をどのようにするかで、その映画の印象は3割以上が決まってしまうように思います。それは素人の意見なので神野さまのようなプロに申し上げることは釈迦に説法ですが、このさい、せっかくの機会なので一般視聴者の一個人の意見を書かせて頂いた次第です。シナリオ教室に関しましては、神野さま、否、神野先生の「シナリオ、脚本の書き方レクチャー」という実にわかりやすい講座をyoutubeで拝見致しました。途中、残念ながら投稿されていないらしく何回目かが抜けちゃってるのがあり、全部を拝見することはできないようですが、シナリオについてのかなりの情報を得ることができて幸いです。特に12回目のト書きの書き方はとてもためになりました。自分の場合、過剰ト書きになっちゃいそうですが、そもそもプロのシナリオライターになろうなどと大それた考えは持っておらず、あくまでも趣味で映画やドラマの視聴を楽しんでいる自分にとって自らシナリオ創作を楽しみたいと願っているもので、それはそれでいいかなと思っています。自分はシーンのイメージはよく浮かびます。私の難点はプロットの方です。イメージはけっこういけると思うのですが、筋書きが苦手です。つまり、自分の場合、シナリオで書きたい場面、場面は浮かんでくるのです。でもそれらをつなげるストーリーが湧いてこないわけです。頭の中にはいつもシーンがバラバラに浮かんでいます。BGMが伴っていることもあります。特定の俳優さんが演じている場面として浮かぶことも多々あります。それはともかく、無料配信については、私の失礼な問い方にもかかわらず御寛大なるお答えを賜わり幸いです。おかげさまで素人ならではの疑念は払拭されましたので、電子書籍によるさらなる御教示をお願い致したいと思いました。取り急ぎ御礼まで。(通称 戸垣はしら)

 

 

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A2

 

こんにちは。ジンノでございます。
とても熱いご返信を下さいましてありがとうございます。
戸垣さんの熱意が伝わってくるメッセージを頂きましたのでもう少し私なりのうんちくを述べてみたいと思います。よろしければお付き合い下さい。

 

まず最初に・・・ごめんなさい、私は先生ではありません。シナリオについて、知らない、分からないことがあったとして私が知っていればそれをお伝えしているだけなのです。いわば情報共有ですね。本来「先生」と呼ばれる人の一部分しか共有できていないのが本質だと思います。その点ご容赦願います。では脚本家がシナリオスクールの講師をやったりしていますがこの人たちだったら「先生」なのでしょうか?これも違います。あの人たちは脚本を書くのはプロでありますが人に教える、導くことにおいては素人同然、パフォーマンス的に一般の人と何ら変わりません。むしろ個性が強い分、他人に教えることに関して疎い面があります。ただ実績という肩書きがあるので先生のように見える、というだけのものです。私にはそのような肩書きもありませんので情報の質で勝負しています。ユーザーさんと同じ目線で、あくまで共有することを旨としています。

 

さて、

 

前回は一応脚本、シナリオサイドとして意見を申し上げましたが、スミマセン、ピントがずれていたようですね。それではもうちょっと広義な視点で考察してみましょう。映像制作の観点から戸垣さんのご質問、「どういう音楽をどういうタイミングで使うか」、「タイトルをどのタイミングでどのように出すのか、題字はどんな感じで音楽はどんな音楽を使うのか」について、最終的な決定権者は監督やプロデューサーですが、作業的に誰がそれを担っているのかと言えばそれは脚本家ではなく、「コンテマン」になると思われます。「コンテ」というものをご存じでしょうか。紙に書かれた撮影指示書で「カット割り」が具体的に書かれています。紙の左半分に4コマ漫画のようなマス目が縦に並んでいて、右半分にはそのマスについてのコメントが書けるようになっています。さらに時間ですね、タイムラインが秒単位以下で記載出来るようになっています。よく使われる「絵コンテ」とは、マス目に簡単なラフ画が書かれていてコメントにはセリフだったり画角だったり、それに使う時間だったりが書かれています。実際にこういう画を撮影するんだよ、という事を人に伝えるためのものです。これは実際に作られる映像の指示書なのでコマ分けはそれこそカット単位になります。シーン単位ではありません。だから膨大な情報量になりますがそれがないと他のスタッフにどんな画を撮るのかが伝わりません。コンテを切るのは(コンテは“書く”のではなく、「切る」といいます)主に監督が兼任することもありますが「コンテマン」という専門職に任せて考案します。コンテマンも脚本家と同じで初稿を提出して「直し」を第二項、第三項と重ねて最終的に決定稿まで完成させます。コンテ上では演出家の考案した演技だったり、素材としての具体的な音楽とマッチングさせたり、タイトルの出し方、ロゴのデザイン、タイミング、画角や視点、撮影位置などを決定していきます。動画になる直前のものですので画として画面に写るのであれば1秒以下の0.01秒であってもコンテに盛り込まれます。音楽の素材は既存の素材を使う場合もあるようですが映画に使う素材であるならば専門家に発注してオリジナルの楽曲を作ります。これもまた何候補か提出して修正を重ねて実際のシーンやカットに載せられるように尺合わせや加工を施した上でコンテ上で合わせられます。音楽制作に関しては音響監督や音楽担当が担います。コンテを切るのは大変技量と経験が必要な専門職でそれこそ映像の専門家です。アニメの話で恐縮ですが、「ガンダム」を初めて世に出した富野由悠季監督は脚本家が「直し」を嫌がるきらいを揶揄して「直しがイヤならばコンテぐらい切れる技量を持て」とキッパリ申しています。脚本家は文芸の専門家ではありますが映像制作の専門家ではありません。我々が普段目にする映画やドラマといった映像コンテンツは完成形でしか見る事が出来ません。作品に感動して「このお話は誰が作ったんだ?」と興味がわいてきます。お話しを考案したのは確かに脚本家ですが、映像を作ったのはこういった複数の専門家が集団で完成させたものであるのですね。脚本家は映像制作の根幹ではあるものの、脚本家が我々目にする映像全て作れるわけではありません。映画の「犬神家の一族」は誰が作ったのか、といえばそれは市川崑監督と言うことになります。市川崑監督がいいと思った音楽を市川監督がいいと思ったタイミングで表現しています。作品のセンスは監督に帰属します。脚本家も含めた制作に携わる人は市川監督の一端を担っている、ということです。この作品は原作モノなので脚本家の役割としては横溝正史さんの書いた小説という文字媒体を横溝さんの意向を踏まえた上で映像化するためのシナリオを書いた、媒体の改編をした、ということになると思われます。

 

長々とスミマセン、あとはなるべく簡潔に申し上げます。

 

※ youtube動画に関して、一応全20レクチャーを連続再生で見られるようになっています。

 

第一回目はコチラです

 

 

※ プロットについて
私はシナリオについてプロットでもログラインでも、発想が難しいと感じられたら自分1人だけで頭をひねらないで、まずは既存のコンテンツからマネしてみることを推奨しています。やり方はこうです。まずお気に入りの映像コンテンツのDVDを手に入れます。レンタルでも構いません。その作品をシナリオに「模写」します。「犬神家の一族」がお気に入りならばそれを見ながらDVDプレーヤーの一時停止機能を使ってシナリオの形に模写します。原稿用紙に柱とト書きとセリフを書き込んで文字化します。ちょっと大変な作業になるのでお気に入りで無ければ飽きてしまいます。出来上がったものから「この作品のプロットってどうなっているのか」、「ストーリーラインはどうなっているのか」考察します。既存の映像を模写すると細かいディテールまで理解が進みます。「意味」が理解出来るようになると作品のプロットが見えてきます。実際に自分のシナリオを創作する場合にそのプロットを使って、内容だけ変えてしまえばオリジナルのシナリオが書けるようになります。大変ですがやってみると面白いですよ。

 

最後に・・・
「犬神家の一族」は私が見たのは子供の頃です。1976年に発表されたものを数年後テレビの映画番組で見た記憶があります。戸垣さんの見られた「犬神家の一族」はリメイクの2006年の方でしょうか、この作品の最後のシーンは市川崑監督の映画としてのラストシーンだったそうです。実際に私は見ていませんが金田一耕助が画面に向かってペコリと一礼するシーンで終わると聞きました。それって市川監督が視聴者に向けて別れの挨拶をしたみたいに感じられて見てもいないのに感動してしまいました。その後2008年だったかな、市川崑監督は他界されます。役者を通じて意味を伝える事、これがシナリオの本質です。

 

いかがでしたでしょうか、参考や答えになっていれば幸いであります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

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第一章 シナリオ構築の全体像
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小から大へ向かう
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第二章 実作業に取り組みましょう
テーマの設定
ログラインの決定
お話しの骨格を設定する
キャラクターを作ってみよう
プロット出しでアイディアを量産する
箱書きで構成を検討する
下書きシナリオ執筆
推敲と清書

第三章 お話しの作りはお手本からマネをする
現実的な“マネ”とは

第四章 コンクールに応募する場合
応募要項は鉄板ルール
スケジュールに気をつけよう
添付するあらすじについて

 


※16075文字

 

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