シナリオ、脚本の執筆法W
イメージ出しと本文執筆は別である。
今段階でもシナリオ書式に従って書くことはない。
自分からどのように出力していくかは任せるが、
メモでも、スケッチブックでも、書き出さなければならない。
具体的なシーンイメージを作る肉付け
今回からは実際のシーンを具体的に発想していきます。
太い骨や語り口で検討したことを元として、肉付けをしてさらに膨らましていきます。
イメージ作りとアイディア出しを通じて確定したシーンを想定します。
お話としての完成を目指します。
大事なことなのでもう一度言っちゃうのですが・・・
シーン単位のイメージ作りです。
今までの作業はある程度のイメージでしかありませんでした。
ボヤ〜っとしたものでも進めるために仮にでも決めてきました。
今回からはそれこそシーンの絵面をイメージしていくこととなります。
またまた私はこんな感じでサラッと解説していますが、この作業がシナリオの執筆作業の大部分を占めることとなります。
もうほとんどです。
今までのレクチャーで申してきたことも決めること、検討することにしても、なにいってんだか分からないほど複雑でしたがこのイメージ作りほどではありません。
挫折前提のチャレンジ
シーンをイメージすることって、簡単じゃありません、やっぱりやっていて迷うし戸惑うし、わかんなくなるし、
ぶっちゃけ嫌になって「辞めちゃおっかな」と思ってしまうこともあるんです。
挫折前提なチャレンジでもある取り組みなんです。
ここからは考案してはダメ出しして再考して、の繰り返しになると思います。
覚悟が試されます。
それでも、諦めることさえしなければシナリオ執筆は所詮作業なので、必ず終わります。
やっていれば必ず終わりが来ます。
ですから、諦めないで続けて頂きたいと思います。
シナリオを完成させてください。
完成させないとすべてが無駄になってしまいます。
それは非常にもったいないことなので、例え下手なシナリオでも完成させればそれはれっきとしたシナリオであり、完成させたのであれば、あなたはシナリオライターです。
でも完成しなければ、いくら柱とト書きとセリフに分けられたものが原稿用紙に書かれていてもそれはシナリオではありません。
ただのメモ書きの束に過ぎません。
だからくじけないで完成させてください。
そして、この作業通じて、シーンイメージやアイディアというものを出しまくります。
出し惜しみなしです。
使う使わないは後で検討すればいいことです。
無駄になるとか、いらなくなるとかは関係なしに、出して出して出しまくります。
バンバンドンドン、シーンイメージを固めていきます。
こうすると今まで気がつかなかった不足も見えてきます。
アイディア不足を補う行動
足らない部分ですよね。
情報がなければ仕入れます。
ネットで調べたり、書籍をあさったり、知識を持っている人に聞いたりしないと進めなくなります。
例えば題材についての専門知識も必要となるでしょう。
行ったこともない土地の話ならば取材しに出かけなければならないかもしれません。
時代にしても現代でなければ時代考証が必要になるかもしれません。
不足を補うためのなんらかの具体的な行動が必要になります。
シナリオ執筆は基本机に向かっての作業になります。
でも不足を補うための答えは机にありません。
実際の行動がシーンイメージ作りに貢献します。
今回の目的はシーンのイメージ作りなんですね。
イメージが出来なければ出来るように行動だったり、工夫をします。
自分で行動しなければ始まりません。
シーンとエピソード
さて、シーンとはシナリオにおける最小単位です。
一秒で変わることもあれば長いシーンをカット割りでみせるやり方もあります。
短い30分ものでも膨大なシーン数になります。
そんな膨大なものをいきなりイチからイメージせいといわれても当然無理があります。
そこでとりあえずセグメントしてみましょう。
シーンの一つ上のまとまりがエピソードとなります。
シーンの塊がエピソードとなり、エピソードの塊がシナリオということです。
シナリオ全体を一旦仕分けしてみます。
例えるならば、本の目次ってありますよね。
本の目次を見てみるとコンテンツの構造が見て取れます。
あれって見出しが分かれていますよね。
部の下に何個かの章があって、章の下に何個かの節があります。
階層式になってますね。
あんなイメージで物語を仕分けしてしまいます。
シナリオでは書籍みたいに3階層までする必要はよほど長いシナリオでない限りありませんので2階層でやってみます。
語り口で検討したものを目次で言うところの章立てして分割してみます。
膨大な数のシーンをイチから発想するのではなく、分割してくくりを作ってから個別のシーンをイメージしていきます。
仕分けされたくくりがエピソードとなります。
エピソードとは短いお話ですね、ショートストーリーです。
物語の起伏について以前レクチャーしました。
一つの山がエピソードにあたります。
エピソードのくくりというものは作者さんがどんなお話を書きたいのか、にもよりますが、例えば場所単位であったり、時系列単位であったり、キャラクター単位だったりします。
こうしてパーツとしての短いお話を何個か作ります。
ノーアイディアから一連のシナリオの流れでイメージしていくと気が遠くなりますので、こうしたくくりを最初に設けてそのエピソードにまつわる個別のシーンを決めていきます。