シナリオスクールのリアル基礎講座|シナリオ教室の劣等生

第3回 原稿用紙の書き方〜手書き

※こちらで紹介するシナリオ原稿用紙の書き方は管理者が実際に通ったシナリオスクールにて指導されたものです。基本形としてどこでも通用するものと思われますが提出先の指定がある場合はそれに従ってください。

 

ここでは主に原稿用紙の書き方(書式)と課題を提出する時の基本ルールを説明しています。
原稿用紙は意外と軽視されがちなのですが、作品を映像化するためにいろんな人が見るものですのでシナリオの内容さえ充実していればいいというものではなく、基本に従い見やすく分かりやすい書き方をしなければなりません。注意しなければならないところがけっこうありますので、最初に押さえて定着しておきましょう。

 

シナリオにおける原稿用紙は一般の作文などに使う400字詰用紙ではなく、200字詰になります。
通称 ”ペラ” といいます。縦書きでタテ20文字、横10行の構成です。
シナリオ、脚本といわれる書式ではA4横書きなどはありません。
基本は手書きですが昨今はパソコンでの出力による原稿も主流になっています。それでも基本構成は手書きと同じです。
書式もある程度決まっていますがコンクールに応募する場合などは、提出先により文字数、書式、綴じ方に細かい指定をされることもあります。指定があればその指定に従います。

 

シナリオ、脚本の原稿の形

 

1、表紙として1枚
2、人物表として登場人物の人数により1枚以上
3、本文は内容により増減します
4、裏表紙として1枚

 

綴じ方は原稿用紙の上にホチキスで留めたりパンチ穴を開けて紐で通したりして束ねます。
原稿用紙の上で留めるので見開きは上にめくるようになります。
このシナリオスクールは本文20枚が限度なのでホチキスで留められますが、コンクール提出などで枚数が多くて分厚くなる場合は穴をあけて紐で束ねるようにします。

 

 

シナリオ表紙の書き方

 

表紙はタイトルと作者名(本名かペンネーム)を書きます。
タイトルはマス目に納めません。真ん中にデカデカと書きます。
作者名は左よりの行の下に、下2,3マスあけるようにしてマス目に合わせて書きます。ペンネームでも構いません。

 

 

 

シナリオ人物表の書き方

 

一行目に頭3マスあけて”人物”とします。
二行目から登場人物を書きます。頭1マスあけて氏名、カッコで年齢、職業や続柄、立場などと主役との関係を書きます。

 

右から重要な人物順に、一行につき一人づつ書いていきます。
重要とは「主役」、「脇役」、「端役」の順でセリフのある登場人物はすべて記入します。

 

固有の名前がなくてもセリフがある人はその人の立場を書きます。”駅員”とか”交番の警官”など。
エキストラは書きません。

 

セリフがなくても登場する関係者がいる場合は”その他”、”学院の生徒”、”球場の観客”などと記入します。

 

性格描写や馴れ初め、生い立ちなどは書きません。
あくまで登場人物の必要最低限の事柄だけを端的に書きます。

 

 

 

シナリオ本文の書き方

 

※※これは重要な事柄です。
シナリオ、脚本は ”出来あがる映像の順番” で書いていきます。
ラストシーンを最初には書きません。
ファーストシーンを最後には書きません。

 

※ここではおおまかな説明をします。柱、ト書き、セリフは重要な項目ですので、それぞれ後述にて詳しく説いていきます。

 

 

本文に書く内容は”柱”、”ト書き”、”セリフ”の3つとページ数だけです。
 ”柱”とはシーンの場所を指定することです。
 ”ト書き”とはその人物の行動や場面の状況を表すことです。
 ”セリフ”はその人物の喋った言葉を書きます。

 

原稿用紙の右から”柱”を書いて、”ト書き”を書いて、”セリフ”を書いていきます。
この順番は基本的に崩せませんが記述を分かりやすくするためにセリフの後にト書きがくる場合もあります。
順序的に柱(シーン)単位の記述になります。同一のシーンにおいてセリフの後に柱とはなりません。

 

 

〜柱〜

 

まず”柱”から書きます。柱は行の1マス目に○を打ちます。この○が「柱だよ」の印になります。

 

柱に打つ○は小さく書いてはNGです。マス目いっぱいに大きく○してください。
理由は実際に撮影する場合、この○の中にシーンの番号を入れる為と原稿を見て一目で”柱”と分かるようにする為です。

 

○の直下に柱(シーン)の場所を書きます。

 

その下は、おおまかな時間的指定等がある場合はカッコで括って記入します。(朝)とか(夜)など。
柱は映像に写っている場所を示しているので同じ「家」でも写る画面が個別の部屋なら「〜〜家の屋根裏部屋」などとします。
玄関など内と外がある場合は「〜〜家の玄関の外」などと書きます。

 

あくまでキャメラ目線においてどこを写しているか、が柱の指定になります。

 

柱と柱の区切りは1行あけて書きます。
 ”柱ト書きセリフ”が1シーンとして、シーン最後のセリフの記述が終わって、場面が変わって次のシーンの柱を書く場合は1行あけて2行目から頭1マス目に○と打って書き始めます。

 

1つの柱にト書きやセリフがなくても柱と柱の間には一行あけます。
ただし原稿用紙のページの最後の行(10行目)でシーンが終わった場合は次ページの1行目を空ける必要はありません。次ページ目は1行目1マス目から柱を立てて下さい。

 

場所についてもっと細かい指定がある場合はト書きの冒頭に書きます。

 

 

〜ト書き〜

 

次に”ト書き”を書きます。
ト書きは柱の左隣の行から書いていきますが、すべて頭3マスあけて揃えて書きます。
原稿用紙を見て3マス下げて書いてあるものがト書きと認識されます。

 

人物表で書いた主役や脇役などが初めてト書き上に登場したら、人物表通りの名前(フルネーム)と下にカッコで年齢も書き加えます。年齢のカッコ書きは横書きでも縦書きでもかまいません。

 

これは初めて人物の名前がシナリオ上に登場した時だけです。以降はフルネームで書く必要はありません。
以降の記述では基本的に 男性は名字のみで女性、子供は名前で書きます。年齢も書きません。

 

ト書きにはまず「だれとだれが何をしている」から書いていきます。
そしてその後の行動や状況を描写していきます。

 

ト書きにおける改行は同じシーンでも視点が変わるイメージになります。視点が変わらなければ連続して書いていきます。改行した時も同じように頭3マス空けて揃えます。

 

ト書きに書く人物名は、柱別に書きます。
柱(シーン)が変わればそこに書くト書きには、その都度登場人物の名前を書いていきます。
前の柱(シーン)で名前を書いたから、この柱(シーン)では書かなくてもいいという事にはなりません。
柱別が基本です。

 

編集記号やカメラワークは書きません。

 

 

〜セリフ〜

 

最後に”セリフ”を書きます。
セリフはト書きの左隣の行から書いていきますが、頭1マス目からセリフを言う人物の名前を書いて名前の下にカギカッコ ”「” を打ってから喋ることばをそのままを書いてカギカッコ閉じ ”」” で終わります。
名前は基本的に人物表にのっとって 男性は名字、女性、子供は名前で書きます。

 

セリフが長くなり一行で収まらず改行しなければならない場合は2行目以降は頭1マスあけて揃えます。
原稿用紙を見て、頭1マス空いているのがセリフだよ、と判断されます。

 

閉じカギカッコ ”」” には句点 ”。” は打ちません。

 

閉じカギカッコ ”」” や閉じカッコ ”)” だけが原稿用紙の一番下のマス目までに入らない時は、改行しないでマス目の下、欄外に打ちます。

 

演者の直接発する声だけでなくナレーション”N”やモノローグ”M”といった声のみの場合も全てセリフに書きます。シーンに喋る人物が写らないでその人物の声だけの場合は”〜〜の声”とします。

 

※本文にはノンブル(ページ数)を書きます。

 

 

裏表紙の書き方

裏表紙は真ん中あたりに住所、作者氏名、連絡先を記入しておきます。例えばシナリオ原本を紛失した場合にどこの誰が落としたのかが分かるようにしておきます。

 

 

第3回 原稿用紙の書き方〜PCプリンタ出力

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