シナリオマインドセット|シナリオ教室の劣等生

シナリオコンクールって意味あるの?

 

 

シナリオスクールに通うと大きな目的としてシナリオコンクール、コンテストの入賞を目指す、というものがあります。

 

でもちょっと待って下さい。

 

プロの脚本家への登竜門?

 

日本の映像業界において、脚本家という職業に就く為の具体的なスキーム、とはどんなものでしょう、選択肢があるのでしょうか。

 

ハッキリ言ってあまりありません。

 

それでもスポンサーや映像会社がコンテンツの企画を立ち上げて、脚本家という人が映像の設計図を書いて、それを基に実際の映像を作り出す工程は今も昔も欧米でも変わりありません。
しかも、脚本家は自由業が主であり脚本自体を制作する法人も、ないことはないのですが脚本制作の専門で大規模な会社はありません。

 

それも主たるコンテンツ(ゲームだったりアニメだったり実写映画だったり)を作る会社の一部門としてしかないようです。

 

もっというと、アメリカ、ハリウッドの様な脚本を売買するような仕組みもなく、
仕組みもないから映画脚本1本100万ドルなんて事は夢物語で、
それ以前に相変わらず日本の映画産業は斜陽で・・・
それにまつわるエージェント、コンサルタントも、いないわけではありませんが、いないと言って差し支えないでしょう。

 

日本における脚本家の立場は、映像制作において最重要なポジショニングにも関わらず整備されていない、遅れているのが実情と判断できます。
これは管理者の社会感でしかありませんが、21世紀になって久しい現代になってもかなりマイナーで進んでいない業種と言われてしかるべきです。

 

脚本執筆の依頼があれば脚本家、なければプー太郎・・・それが本質です。

 

そんな社会背景でのシナリオスクールの存在価値とは、業界への橋渡し的なものかといえば、もう実感として違います。

 

ハッキリ言います。

 

シナリオスクールに通って最上位クラスまで時間とお金をかけても、脚本家にはなれません。

 

コンクールについて、話を戻します。
これもハッキリ言わせて頂きます。

 

コンクールに入賞しても脚本家にはなれません。

 

がんばって目指している人には心苦しいのですが、それが現実です。

 

ただし、コンクールで入賞すれば脚本家として業界にくい込める可能性は出てきます。あくまで可能性です。
何パーセントなんていえません。一定でもないし統計なんか見なくともプロの脚本家の方々の経歴をみればすぐわかります。

 

もちろんコンクール入賞がきっかけでオファーをもらってその後プロとして食っている人もいます。
いるにはいるのですが、シナリオスクールに入ってコンクールで入賞してその通りになった人の数の少ない事と言ったらお話しになりません。
かなりメジャーと言われるコンクールの優勝者でもオファーがかかる、かからないどうこうと関係ありませんし、保証なんかありません。

 

シナリオスクールに入って「コンクールで入賞するぞ〜!」「お〜!」とやるのは構わないのですが、コンクールで入賞することがあなたの目的なのでしょうか。

 

管理者は違います。コンクールなんてどうでもいいです。

 

管理者は脚本家になりたいから、脚本を書いてみたいから、面白いお話しを作って共感を得たいからシナリオスクールに入りました。

 

コンクールで入賞する意味とはなんでしょう・・・

 

1ハクがつく
2キッカケになる
3他人と比べてなんとなく上手い脚本が書けている実感が持てる。

 

あと思い付きません。

 

実際のところ、管理者も入学当初はがんばって入賞を目指さなきゃ、と思っていました。
ですが脚本稼業のことを知れば知るほど、そんなことはどうでもいいことに気が付きました。
コンクール入賞を目指して行動している方、重ねて申し訳ありません。

 

1、ハクがつく
自分が学んだ成果として、一定の評価基準にはなります。ただし自分の自分に対する評価基準です。業界でもプロデューサーでも監督でもありません。
審査員としてそういう仕事をしている人たちが座っていますが、自社のお金を使って本気で脚本家を探すという目的でそこに座っている訳ではありません。
自社の企画をそもそも新人で実績も無い素人に任せるほど、任せたいと思うほど彼らは甘く考えていません。器量が大きい訳でもありません。
でも、なにもないより、○×コンテスト入賞という肩書きみたいなものは大いにアピールできるでしょう。いわゆる自分にハクがつきます。

 

2、キッカケになる
コンクールの審査員は業界の人間ですので、入賞をキッカケにオファーがくることもあります。でも1本、2本程度なようです。
それで食っていけるレベルではありません。
キッカケにしかなりません。後は認めてくれたプロデューサーと仲良くしたり、なんとか覚えていてもらえれば仕事がくるかもしれません。

 

3、他人と比べて実感が持てる
 ”ハクが付く” とも共通しますが、業界の実績ある人に評価されるのですから、当然落選したその他大勢の人より優れていると言えるでしょう。
でも、考えてみて下さい。その評価は金になるのでしょうか。どこの誰とも知らない、なんだか権威がありそうな人に上手い下手と言われてなぜ納得できるのでしょうか。

 

 「評価」 とは見返りがあって初めて評価された事になります。

 

会社での評価のひとつに出世があります。
では係長と部長の違いはなんでしょうか。
仕事内容や責任範囲もそうですが、分かりやすくて誰もが納得出来ることは 「給料の額」 です。

 

コンテストにも賞金が出たりしますが、プロゴルフプレイヤーみたいに賞金だけで食べていけません。
賞金自体そんなに高くもなければ、コンクール開催規模も、コンクールというものを開催しての費用対効果も大して期待できるものでもありません。

 

現実に則していないのがシナリオコンクールの正体です。

 

つまり半ば名誉的なスタンスでしかないのです。

 

管理者はトロフィーや賞状や小遣いが欲しくて脚本を書こうと思いません。

 

欲しいのは、実制作に携わった結果、観客視聴者から評価され続けて脚本を書く職業脚本家になることに他なりません。

 

あなたもそうなのではありませんか?

 

もし管理者の言う事が信じられなければ、実際の脚本家の大先生の意見を聞いてみて下さい。
調べてみて下さい。
おおかたコンクール否定派ですよ。ハリウッドなんかはコンクールに応募すること自体蔑視しているきらいが存在します。
その理由はご自分で調べてみて下さい。

 

最後に本質論をいたします。

 

脚本家を志すことは、習う事の延長線上にあらず、無論コンクール入賞ではない。
習う事、学習することとは別のアプローチを ”自分で考えて行動” しない限り実らない。

 

シナリオスクールを鵜呑みにしてはいけないのです。

 

悪口ついでにもうひとつ、
コンクールの応募作品に制限というか予め制約が設けられている場合があります。
応募要項をよ〜く読んで応募の是非を検討してください。

 

京○アニメーションの年に一度開催される小説、シナリオコンクールの応募要項にこんな一文があります。
要約すると ”大賞作、入賞作についての版権は当社に帰属いたします・・・・”
つまり、これっていい作品だったらアニメ化、ノベライズ化しますが版権収入は放棄してください、というこです。

 

いいのかな〜こんなんで。

 

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