シナリオ、脚本スキル|シナリオ教室の劣等生

本文をイメージする

テーマ、骨、タイトルと決めてようやく本文に取り掛かれるのだがそれでもまだ原稿用紙に○は打てない。

 

ボヤ〜っとした全体のイメージを整理してアンチテーゼからテーゼ、ジンテーゼに向かう方針を立てるべきである。

 

お話しの核となる部分には心砕くことになるが、ここで詰めが甘いと納得いくシナリオは完成しない。

 

でも、シナリオの醍醐味はここにあるのだ。

 

本文を構成する要素とは

 

前準備で揃えた材料をさらに膨らまして本文にしていきます。でも決めた材料は、本文の内容からみたらもっと作りこまないと例え20枚ぽっちのシナリオでも難航してしまいます。

 

そしてまだまだ ”とりあえず” が続きます。

 

なんでとりあえずばかりなのかというと、書いているうちにもっといいアイディアが浮かぶ可能性の高い作業領域にこれから入っていくからなのです。
今まで決めた事はどれも短いもので それらは前後の繋がりなんか考えなくてもいいものです。

 

本文を書き始めると当然脈略というものを意識せずには書けません。前後の存在があってその場所に必要な柱だったり、ト書きによる演技だったり、セリフがあるのです。そんなときにガチで決めてしまうと流れを無視しかねません。

 

もちろん、最初に決めてそれが決定のほうがスッキリするでしょう。そこは柔軟に考えて、いいアイディアを優先して変えてもいいと思う余地を残しておきます。最初のアイディアがドストライクならそのまま使えばいいだけのことなのです。

 

お話しを作っていく場合の要素を考えてみたいと思います。

 

それこそ千差万別なのですがお話しには共通する特徴があります。
皆さんが気付いている部分があれば盛り込んでみてください。

 

お話しにはヤマがある
分かり切っている事かもなのですが お話しには起伏があります。

お話しを見たり聞いたりしていると必ずこの起伏を感じます。初心者は1番のヤマをクライマックスとして捉えがちですが、実はお話しというのはこの起伏の連続で出来ています。
その中で1番高いヤマがクライマックスということです。

 

この起伏はお話しが始まった直後からもう既に始まっています。ヤマがあり、谷があり、またヤマがあり、谷があり、ヤマがあってから物凄い深い谷がありそこから最高峰のヤマに一気に登りつめます。そして平地に着地します。

 

構成とはこんな感じです。常に上下して変動しています。これは総論なので、そういうものというイメージだけ覚えておいて下さい。

 

ヤマと谷の関係は上記では3つくらいしか書いていませんが、お話しを詰めてけば尺に応じていくらでも詰め込みます。つまりこの起伏がお話しを引っ張っていく原動力になるのです。

 

さすがに無理やりツッ込めとは申しませんがエピソードというものはこの起伏のセットのことなのです。このセットがアニメで言えばAパートBパートだったり、各話だったり、シリーズだったりします。映画で言えばこの1セットでターニングポイントとなります。ポイントそのものはヤマ谷のヤマの部分を意味します。

 

どこまで行っても平坦な草原ではお話しにはなりません。が、そういう映像もありますし、価値も認めます。そんな一見平坦な草原みたいなお話しでも何かしら起伏が存在しています。特に感情面での描写はガッチリ激しかったりするものです。

 

お話しを作る場合には絶えずヤマと谷がなければ成立しません。スキを見せると観客は飽きてしまいます。特にアニメの場合はそうです。この点を押さえておきましょう。

 

もし、分かり難ければ御自分の今日の気持ちの高低を思い出してみてください。朝起きてから夜寝るまでの感情の起伏です。
常に一定ではないはずです。勤めていたり多くの他人と関わるような方ならば なおさらこの感情は激しく動く事でしょう。

 

ここで理解するためにはウソはつかないでください。本音の部分で着飾らないで思い出せば楽しかったと感じたり残念に思ったり、怒りがこみ上げてきたり、文句言いたくなったり・・・大抵社会人は後者の方が多く感じているはずなのです。

 

普通にしている自分をプラマイ0、喜びや楽しいポジティブな感情をプラスとし、悲しい、腹立たしいネガティブな感情をマイナスとして、お話しのヤマと谷に当てはめます。

 

1日というお話しの中でもさんざんヤマ谷の感情の起伏を我々は無意識に行っています。

 

お分かりになりますか?ですからお話しというものはフィクションではあるのですが 構造そのものはフィクションではなく実際の人の生理的なものなのです。それも一定していないで常に変動している事がお分かりになると思います。

 

そこに面白いと思われる要素を加えていきます。

 

登場人物ととりあえずの変化を考える

構成法は上記のとおりヤマ谷で出来ているということだけ分かっていれば今はそれでとりあえず構いません。この時、絶対に起承転結を考えない事、意識しないでください。

 

起承転結を意識した時点で頭の中でお話しを当てはめ出します。起はこうして、承はこうして、転と結はこうして、とか考えだします。これは管理者もやっちゃった一人ですが意識した時点で縛られます。発想が膨らみません。起承転結の枠組みの中でしかイメージしないようになってしまいます。ですから止めておいた方がいいのです。
大丈夫です。ちゃんと出来あがればそのようになっています。そのための、”とりあえず” なのです。

 

それでも、とりあえずばかりで恐縮です。管理者のいい加減な部分が描写されているようです。

 

テーマと骨にのっとった人物を決めておきます。(仮)でもいいのですが「主人公A」とか「端役D」とかは、やってみた事がありますが 管理者の場合はイメージに繋げにくかったのです。やはり名字だけでも名前だけでもニックネームだけでも、その人物を象徴するような固有名詞をつけておいたほうがいいのです。それも(仮)で決めちゃいます。

 

うさぎの耳を付けた妹系キャラの”うさみちゃん”でも構いません。ポイントは特徴を名前、呼び名に反映させる事です。だからイメージ優先で正式な本名はお話しがある程度固まったら考えてあげましょう。

 

テーマにのっとって何人設定するか、関係をどうするか、そしてなによりご自身がどのようなシチュエーションでお話しを展開したいか、確認しておきます。このあたりはぶっちゃけお好みです。

 

登場人物は好みでも構いませんし、他の意味を持たせてもいいのですが 決められたらその人が最初こうなっていて、最後にこうなった、という変化を考えます。テーマにのっとって具体的にどう表そうか、を構想します。変化を登場人物でどうやって映像として伝えるかを考えます。

 

このあたりから 言うのは簡単、やるのは至難、になってくるのですが 大丈夫です。
ここでも ”とりあえず論” が我が頭脳を救ってくれるのです。

 

最初から具体的になんかなりません。シナリオを書く事にかなり慣れないと想像できません。だからとりあえずなのです。
そこへ持ってきて大量の登場人物を設定する人が必ずおられます。いいんですよ、自分でそれぞれキチンと描写できれば。でもたぶん混乱すると思います。

 

はじめのうちは人物少なめに設定して、その人物のなるべく深い心情を察することに重きをおいた方がいいと思います。主役でも脇役でも同じです。

 

たくさんのキャストを設定するといわゆる群像劇になります。モブキャラがやたら多いものは群像劇とはいいません。あくまで個性を持った人物前提です。群像劇はこれまた難しい設計が必要になってきます。シナリオに慣れてないと書ききれません。なのでご自身のレベルに合わせた方がいいですし登場人物2人、3人でも感動を与えてカタルシスの解放を促すシナリオは書けるのです。

 

とりあえず構想してみる
登場人物、特に主役のキャストの変化を確認したら、その方向性で1エピソード作ってみます。つまり前述の ”ヤマ谷” を1つだけ構想して具体的にメモに書き出します。出来ればこの時点からシナリオ形式でメモを取ります。

 

で、肝心なポイントなのですが・・・

 

出来るだけ派手な”谷”から書いてみてください。谷=ネガティブ=危機=困っている 事です。それも前提とか、紹介とか、前置きとかは一切ヌキにして、です。1発目の柱○から書いてみてください。

 

イメージを引っ張りたくはないのであまり例は出したくないのですがあえて・・・

 

○崖
うさぎウサミ(14)がレオタード姿で、気を失って崖からさかさまに落下している。強い風を受けて気が付くウサミ、目をあける。
ウサミ「う、う〜ん・・・・・・ハッ!」
あわてふためくウサミ、手足をばたつかせて、
ウサミ「な、な、な、な、なによこれ〜〜!!」

 

かなり偏ったシチュエーションですが、これをファーストシーンとします。

 

管理者もそうでしたが とかくシナリオに慣れていない人ほど説明したがります。それは心理として当たり前で、キチンと書きたいから、ちゃんと伝えたいから、そうなりますが 語るべきはお話し、物語、フィクション、面白い事なのです。

 

語る事に前提は基本的にいりません、といったら言い過ぎかもしれませんが、後でセリフで誰かに言わせればいいや、くらいに思っていていいと思います。

 

お話しは とにかくはじめなければはじまりません。このスターターは作者でしかないのです。だから退屈な説明より実際にドラマを始めてしまいます。上記みたいに意味が伝わらなくてもぜんぜんOKです。

 

 「わたしは静かなシーンから始めたいわ」 とおっしゃる方、それでは見た目静かなシーンでも感情は大きく振れている描写を人物に与えて下さい。それも尋常でない感情です。それかクライマックスの部分で主人公の1番 ”谷” の所をファーストシーンに持ってきてください。訳が分からないシーンでも構いません。とにかく観客にそのお話しの ”劇的” な部分を見せて下さい。

 

この訳が分からなくても 絵面として ”劇的” を最初に見せる意味は いわゆる掴みというものです。
 ”劇的” さえ見せる事が出来ればそれでいいのです。意味は関係ありません。
意味は後々じっくり見せていけばいいのです。

 

もっと違うファーストシーンも もちろんたくさんパターンがあります。ですが初心者ならばまずここからやってみてはいかがでしょう。少なくとも初心者の書いたシナリオには見えなくなります。

 

なんにもない、無の状態からシナリオを興さなければなりません。ある程度の決めごとを作ってから、始めて観客に見せるものとは1つの劇的なエピソードからなのです。全てはここから始まるのです。

 

そう、登場人物も作者も、なのです。

 

シナリオ脚本の構想って難しい

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