脚本家 首藤剛志氏を想う〜小田原市図書館に行ってみた〜

首藤 剛志氏は、日本の脚本家、小説家。
福岡県出身。主にアニメ関係の仕事を中心にしていた。日本脚本家連盟会員。

 

代表作
戦国魔神ゴーショーグン(1981年)
魔法のプリンセス ミンキーモモ(1982 - 1983年、1991 - 1992年)
アイドル天使ようこそようこ(1990 - 1991年)
ポケットモンスター(1997 - 2002年)※シリーズ構成は第158話、各話脚本は第245話で降板
機動戦艦ナデシコ(ルリルリ3部作※ 1996年)
劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕(1999年)

 

1949年8月18日〜2010年10月29日(享年61歳)
ウィキペディアより引用

 

 

 

 

 

※写真は6月に行ったときのものをイメージとして使っています

 

ホンを読みに行きました〜2017年11月29日の日記〜

 

小田原城の麓、昭和臭漂う古びた図書館に首藤剛志氏の寄贈資料を読みに行きました。

 

貴重資料の閲覧を申し込んだシナリオ、台本は以下の通り

 

ポケットモンスターテレビシリーズ第一期
#1 ポケモン君に決めた!(仮)決定稿シナリオ(1997年)
#195 ポケモンと話せます 決定稿シナリオ(1998年)
劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 決定稿シナリオ(園田英樹氏と共作2000年)
劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕 決定稿シナリオ(1999年)

 

機動戦艦ナデシコ
#5 ルリちゃん『航海日誌』 台本(1996年)
#18 水の音は『私』の音 台本(1997年)

 

※「ルリルリ3部作」とは上記2作品に加えて#12 あの『忘れえぬ日々』 を指す。首藤氏はナデシコではこれしか書いていない。
当時、首藤氏が手がけた3つのシナリオを通称ルリルリ3部作という。サブキャラクターの星野ルリに焦点を当てたシナリオの品質がとても高いと当時評判になった。
#12は小田原市図書館には寄贈されておらず読めなかった。

 

 

シナリオについて

 

ご自身で小田原に行って直接ご覧になるほうが勉強になると思います。

 

と、お断りした上で見てきた感想などを首藤氏を想いながら書いてみます。

 

まず、シナリオスクールで教わるように書かれてはいない、ということを特筆します。

 

首藤氏のシナリオはかなり突っ込んだ表現で執筆なさっています。

 

管理者は首藤氏のシナリオを知っていたのでシナリオスクールでその通りに書いたところ、小説みたいとかシナリオらしくないなどの指摘を受けました。

 

無論、現場でのネイティブなシナリオ決定稿なのでその様に書かれている物だと思われますが
初心者がマネしてはいけない物かもしれません。

 

それでも管理者読み手からすれば首藤氏の感情がよく伝わってきます。

 

とても具体的でした。

 

詳しくは本当にご自身で小田原に行って直に見られて欲しいのですが、

 

建物のイメージで和風では無く欧州の洋館風で、とか

 

キャラクターのイメージを〜〜のメグ・ライアンみたい と例えてみたり、

 

後工程を考えておられるのでしょうか、具体的な場所や年代を指定して書かれています。

 

キャラクターの演技指示についても積極的に書かれています。

 

面白いのがキャラクターの演技について意味や解説がト書きに書かれていることです。

 

なんでその演技をするのか、について 当てつけのようにとか、〜〜が見ているから、などどうしてそういったアクションを行うのかの理由まで書いてありました。

 

キャストが読んで演技しやすいようになっていました。

 

このようにト書きには記号的な指示で終わらずに意味やイメージが分かるシナリオになっていました。

 

効果音も書かれています。

 

ドカーンとか、地響きや割れる音など書かれていました。

 

また、表現も個性的で”黙る”とするところを”黙りこくる”としたり、有機的な文章表現も含まれています。

 

×××という記号もスクールでは時間経過を示す物とされていますが首藤氏はキャストの視点の変わり(サトシたちを柱の陰から見守るロケット団、等の視点)で使っていたり、シーンの注釈で使っています。

 

本当に感覚的でト書きに ”何気に” という表現もされています。

 

 ”どこかもの悲しい”とか”しげしげと”などキャラクターの心情にも言及しています。

 

もう一度確認しますと、見に行ったシナリオは決定稿です。

 

初稿から何度か修正を施した表紙の付いた決定稿です。

 

それでもシナリオとして完成しています。

 

管理者も見ていて、「これでもいいのか?」 と思いました。本来シナリオライターの領域からはみ出しています。

 

演出やコンテマンの仕事の一部まで言及しています。

 

更にスポンサー(ポケモンは任天堂)へ配慮した文言(新たに登場するポケモンに差し替えても構いません、など)もありました。

 

ト書きについてもそうですが、セリフでも「(〜〜に向かって)なんだって?」 とかっこ書きで演技指導が書かれています。

 

ホンを読んでみて感じることは
ひとつはシナリオスクールの教えるとおりになっていないということです。

 

首藤氏が生きておられたら 「あったりまえじゃん!」とか言われそうですが、実際の現場で使われるシナリオとはそれでいいのではないでしょうか。

 

ひとつは後工程に貢献するならなんでも書いておいていいということです。

 

 ”しげしげと” とト書きに動詞で表現するのは難しいものです。

 

具体的な動作を書いたところでその意味が声優に伝わらなければ意味がありません。

 

ヘタな描写を書くのではなく、意味さえ伝えられれば声優はイメージができて声の強弱や”間”を設計することが出来ます。

 

こういったことはシナリオスクールでは教えません。

 

スクールでは形容詞を使わせません。

 

だから生徒作者は感情の類似語辞典などを参考に描写を考えます。

 

しかしながら ”しげしげと” を分解して描写するよりライターのイメージした心情や感情を端的に表す方が絶対に伝わるはずなのです。

 

特に日本語はそういった表現に適しています。

 

こういったことから感じた一番は

 

 「シナリオライターに具体的なシーンイメージが無ければ設計図となり得ない」 ということです。

 

首藤氏のシナリオはとにかく具体的なシーンのイメージが出来ます。

 

今回、シナリオと台本を読んできましたがどちらもその点だけは優れていて管理者でも読みやすかった、イメージしやすかったのです。

 

劇場版ポケモンはあらかじめ見ていませんでしたがリンやフルーラの気持ちがビシバシ伝わってきました。

 

イメージさえ出来ていてシナリオの形式になっていればほとんど問題が無い、ということです。

 

イメージさえ出来ていればあとは伝わりやすい表現でも構わない、ということでした。

 

管理者は思います。

 

我々はどれだけシナリオスクールの言うようなシナリオのルールに従いすぎて、それより大事なイメージを損失しているのでしょうか。

 

書式なんてどうでもいいのです。シナリオライターに求められている事はイメージであって「シナリオとは〜〜」で教わることではないのです。

 

シナリオライターが発想したイメージがあるならばそれが一番優先されて、直しなどに安易に応じてはならないとは首藤氏の手記にもあります。

 

そんなことを実感させてくれる、とても主張されているシナリオでした。

 

また、決定稿が本当に決定していないことも分かりました。

 

今回、事前にポケモンのテレビシリーズ#1と#195は見ておきました。

 

放映されている内容と決定稿シナリオと微妙に相違点もありました。

 

 「製本された決定稿も変更があるのね」 と思いました。

 

とにかく小田原に行ってみてください。ご自分の目で見てください。交通費は掛かりますが閲覧自体は無料で見れます。

 

管理者はまた行ってみようと思いました。

 

 

首藤剛志氏寄贈資料の閲覧について

 

まずはネットで検索してみてください。

 

 「小田原市図書館 首藤剛志 目録」 で寄贈資料と申し込み書のPDFがダウンロード出来ます。

 

目録を見て閲覧したい資料を決めて貴重資料閲覧申込書に記入をして小田原市図書館に電話で予約を取ります。

 

休館日もあります。担当者と日程を調整して閲覧する日時を申込書に記入し、メールに添付して申し込みします。

 

小田原市図書館 0465-24-1055

 

 

小田原市図書館は小田原城の敷地内にあります。
小田原駅からお城を挟んで反対側に位置します。
管理者の行き方:北口から城内に入ってなだらかな坂道を昇ります。天守閣を右に見ながら常磐木門をくぐり、石段を降りて蓮の池に沿って右に坂道を下るとすぐに図書館が見えます。

 

 

首藤剛志氏のご冥福を祈る

 

あんまり脚本家でも、特にアニメの脚本家は後進に指南するような情報発信をしている方がおられません。

 

そんな中、首藤氏はかなり長い間、ご自身の仕事について詳細に語っておられる貴重な存在でした。

 

実際に当サイト「シナリオ教室の劣等生」はかなり影響を頂いています。

 

実際はどうなんだ、シナリオスクールは役に立つのか、我々が志しても脚本家とは遠い存在なのか、

 

もし、生きておられたらインタビューしてみたいものですが今は適いません。

 

お亡くなりになって早7年、シナリオの閲覧を求めても資料自体が古くなりつつあることは否めません。

 

それでも首藤氏のシナリオには読んでみると本質が書かれています。

 

やはり本物だ、と感じさせてくれるのです。

 

ご冥福をお祈りいたします。

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第一章 シナリオ構築の全体像
参考に過ぎません
必要な作業とは
小から大へ向かう
この作業に取り組める人とは


第二章 実作業に取り組みましょう
テーマの設定
ログラインの決定
お話しの骨格を設定する
キャラクターを作ってみよう
プロット出しでアイディアを量産する
箱書きで構成を検討する
下書きシナリオ執筆
推敲と清書


第三章 お話しの作りはお手本からマネをする
現実的な“マネ”とは


第四章 コンクールに応募する場合
応募要項は鉄板ルール
スケジュールに気をつけよう
添付するあらすじについて

 


※16075文字

 

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