初めてシナリオ脚本を書くのなら手書きを推奨します
シナリオを初めて書くのなら手書きを奨める。
まず、書式を肌で憶えること、身につけること、
次に創作する前提があること、だ。
シナリオに効率を求めることは、書式が分かってからにしたほうがいい。
シナリオ脚本書式を憶えるなら手書きから
まず書式を書き込む原稿用紙ってシナリオ専用のものがあります。
学校で作文を書くときの原稿用紙って400字詰めのものを使ったと思います。
シナリオで使う原稿用紙とはその半分の200字詰めのものを使います。
これには通称があってシナリオで使う200字詰め原稿用紙のことを「ペラ」と言います。
読ませる相手が映像制作者ということもあってか、撮影現場でシーンを探すとき、めくりやすいように半分にしたそうです。
ペラペラとめくるということで「ペラ」と呼びます。
縦20字、横10行の原稿用紙です。
これが正式な日本のシナリオフォーマットです。昔ながらの原稿用紙ですが実際にシナリオ書式に従って書く場合ではペラを使ってください。
そして初めてシナリオ書式を憶える場合や、イメージ作りアイディア出しのような創作を行う場合は手書きで書かれることを推奨します。
書式も分からないうちからPCなどを使ってキーボードに打ち込むことは避けた方がいいと思います。
なぜなら、シナリオ、脚本に書く事って、効率を追求するものではないもの、なんですね。
シナリオに書かれる文言って、会社で書く報告書のような無機質なもの、事務的な文章とは決定的に違います。
有機的でなければなりません。
シナリオに書かれることとは作者の感性から引き出されるものです。
表現物、創作物なんですね。
型にハマって決まった文言で書かれる文字列とは違います。
作者の感性を文章化するということです。
作者さんの感覚を文書化するにあたり、文字を打つ、つまりキーボードを叩くことよりも、手書きの方が圧倒的にやりやすいのです。
文章に感性が載せやすいのです。
感性を文字に写すという作業は直接手で書かれる以上にダイレクトなやり方はありません。
いくらキーボードのタイピングが上手くても入力した文字は全部同じになってしまいます。
それは早さや効率や見た目を整えるという目的では有効ですが、シナリオは違います。
シナリオでは感情を文字にする、感情を原稿用紙に写すことを行います。
感情のこもった文字は一定ではありません、大きかったり、小さかったり、乱れていたり、整っていたり、収まっていたりはみ出ていたりと起伏に富んでいます。
感情の文章化が適い、それが発想に繋がります。
決まった文字しか出てこないキーボードには向いていないのです。
手書きならば感情が載りやすいのです。
私は手書きを強く推奨します。特に初心者ならばなおさら、発想段階ではなおさらなのです。
上手いシナリオを書きたいと思うのなら手書きにしてください。
そして手書きに慣れてください。
手書きの効果
一つ例を挙げます。
有機的な文章というと、一般的には「手紙」があるでしょう。
ラブレターなんかが最たるものです。
大切な彼氏や彼女から手紙をもらったとします。
その手紙は相手の癖のある文字で書かれているのと、整然としたフォントの羅列と、どちらが相手の個性を感じられますか、ということです。
無機質なフォントで「好きです」と書かれたものと、手書きの丸文字で書かれた「好きです」と、どちらが相手の感情を感じることが出来るのでしょうか。
断然手書きの方が伝わってくるものが違うはずです。
この違いが感じられなければシナリオは書けません。
単なる情報伝達だけの文書とは違います。
通知目的の文書と感情が載った手紙とスタイルが違うはずです。
そういった感性に訴求することに関してはやっぱり手書きに限ります。
これが有機的な文章ということです。
シナリオは創作物である以上有機的でなければ書けません。
だから手書きにするべきなのです。
あくまで創作のためです。
シナリオ脚本の場合、創作してシナリオが完成すれば清書としてPCに打っても構いません。
でも書式を憶える段階やシナリオの発想段階で文字を 打って はダメです。
自分の手で書かないと自身から有機的な文言というものは引き出せません。
それは実際にシナリオを書いてみれば一発で納得できるるはずです。
参考記事: 手書きが創造をかきたてる