アニメシナリオ脚本スキルBlog|シナリオ教室の劣等生

BanG Dream!|シナリオスキル

今回のお題は

 

「BanG Dream!」から読み解くリーダー像です。

 

月刊ブシロードのメディアミックス作品で原作はナカムラコウさんです。

 

アニメ版“バンドリ”は2017年の作品で監督は大槻敦史さんですが珍しくエロくない作品を手がけています。

 

脚本、シリーズ構成は綾奈ゆにこさんです。

 

ガールズバンド物で最近よくある主人公がバンドを立ち上げて成功していく過程を描いたいわゆるサクセスストーリーです。

 

主人公の戸山香澄は高校に入学してから自分のやりたいことを探します。

 

その結果、バンドを立ち上げてカリスマライブハウスでライブをやるという目標を見いだします。

 

ただの一女子高生が何かを成し遂げる課程を描いた物です。

 

戸山香澄は発起人でもありガールズバンドのリーダーになるのですが、今回はグループのリーダーってどんな人物なのか、を考察してみます。

 

結論から言ってしまえば・・・

 

「リーダーは不完全でなければならない」です。

 

決して完璧な人物像でも無く、理想とはかけ離れていなければならない、
ちょっとおバカなくらいがちょうどいい、

 

ということです。

 

別にバンドリに限りません。

 

ラブライブ!のμ’sのリーダー、高坂穂乃果でも、アクションヒロインチアフルーツのセンター、赤来杏でも,個性は違えど共通点があります。

 

その共通点とはその名の通り、

 

「共通性」です。

 

共通性とは“弱点”です。

 

多少なりともお馬鹿なところです。

 

感情的、直感的、どちらかというと不真面目、であり

 

また、情熱的で愚直な面があって、面倒見がいい器量を持っています。

 

昔のリーダー像は違いました。

 

昔のリーダーとは模範的なキャラが多かった気がします。

 

常識的で模範的な あかレンジャー、

 

不良的なアウトサイダーの あおレンジャー、よくリーダーとぶつかったりします。

 

質実剛健の きレンジャー、

 

箸休めでバランサー的な異性の ももレンジャー、このグループの中で紅一点のキャラはリーダーとデキていたりします。

 

技術的で職人気質な みどレンジャー・・・

 

こんな感じでした。

 

現代はちょっと違っています。

 

構図的にはリーダーの不足を補うようなグループ構成がなされています。

 

だからリーダーが完璧ではいけないのですね。

 

欠点や不備がないと他のメンバーの個性が引き立ちません。

 

こういった構図においてリーダーたる人物の必須な要素が

 

“勇気”なのです。

 

その点は今も昔も変わっていません。

 

リーダーはとにかく行動します。

 

理屈や常識までも度外視して何かをやろうと積極的に行動します。

 

これは何もアニメや映像コンテンツやフィクションに限ったことではありません。

 

我々リアル社会でもそうなっています。

 

極簡単に言えば、それは勇気なのです。

 

会社の社長でも、戸山香澄でもこの「勇気」がなければお話しが始まりません。

 

「勇気」とはイコール「行動力」を意味します。

 

人は生きる上で何を一番求めるかというと、それは安定です。

 

安定して生活したいという欲求がデフォルトで備わっています。

 

会社を立ち上げる事ってかなりのリスクが伴います。

 

そのリスクを顧みずに行動して成功した人が社長になれます。

 

リスクに立ち向かうには勇気が要ります。

 

ああなったらどうしようとか、こうなったら困る、とか、いちいち考えていたら何も行動出来なくなります。

 

そこんところはある意味、バカにならなければなりません。

 

こういったリアリティがあるのでバンドリのような物語が面白いとされて描かれます。

 

勇気と共通性は観客を感情移入させるために必要な要素です。

 

バンドリのようなグループ物で無くても主役主人公には無くてはならない個性です。

 

それでもグループにする意味とは、集団という“くくり”を与えた方がより際立って見えるということなのです。

 

同じグループ内のキャラクターでも、脇役であっても主役級の個性を描けるし、描かなければ主役を補佐出来ません。

 

各キャラクターの明確な個性付けは、今の時代たくさんあったほうが受けます。

 

昔はひとりだけで良かったものが今は複数の個性が重なって形成されています。

 

その方が物語に厚みを持たせることが出来て観客の食いつくところが増やせるのです。

 

作品によっては主役より脇役の方が人気がある、なんて現象も珍しくありません。

 

同じ葛藤を描くにしても人ひとりの目標より集団の目標が大きく重く説得力がマシマシになるのですね。

 

特に失敗したときのダメージが大きい分、何かを成し得られたときの達成感が描きやすくなり感動も呼び込めます。

 

リーダーは完璧ではいけません。

 

面白くありません。

 

ちょうどいいセリフを思い出したので紹介しましょう。

 

ハイスクールフリートという戦艦物のアニメの劇中で、機関長が船のリーダーであるヒロインの岬明乃艦長に対してこう言ってました。

 

「神輿は軽くてバカがいい」

 

その通りなのですね。


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