お話し、物語を組み立てる

次は物語を組み立てた。

 

基本的な人物設定を決めて大枠のストーリーテラーもどきを考える。

 

まだ調整する為の余地が欲しいので確定はしない。

 

どんな展開になるのかは作者が決めるのではなく、キャラクターが決めるのだ。

 

この理屈が理解できる人はプロである。

 

また、とりあえずだが人物と相関関係を考える

 

全くまっさらな状態でも人物や関係性はなければ作るしかないのですが、管理者の持論で「キャラクターの使い捨てはキライ」というものがあります。

 

シナリオスクールに通っていた時に感じたことが、毎週毎週、毎度毎度の課題に一貫性を許していないことが大変不満だったのです。

 

1回使った設定や人物や物語もそうです。1回1回使い捨てです。

 

こちらとしてはそんな課題のようなつたないシナリオでもちゃんと考えて作り上げています。それをたかだか1回ぽっきりで捨ててしまうのは非常にもったいないと感じていました。

 

後で分かった事ですが、そのような意見があるなら貫けばよかったと後悔しています。

 

現にシナリオスクールからメジャーになられた作家さんたちは共通して自分の書きたい事にこだわって、そして貫いていた事を知りました。

 

枚数制限や物語のタイプや状況など、作家さんによって違いはあれどシナリオスクールの方針に逆らっていました。

 

 「あ〜これがプロになるべき姿勢なんだ」と思ったものです。

 

話が飛びました。

 

まっさらな状態から起こしてもいいのですが、管理者が課題を通じて作ったキャラクターたちにもう一度ご出演願おうか、と考えました。

 

当時、「運命」という課題として提出した時のキャラクターたちです。

 

人物は5人姉妹です。兄妹って言うのかな?ちょっと分かりませんが、主人公の男の子は第3子です。長女、次女、主人公の長男、三女、四女という5人姉妹がメインキャストです。

 

物語の本編に取り掛かるにあたって、とりあえず過去に作ったキャラクターとその個性をベースに構築した方がいいと判断しました。

 

ま、そのほうが楽だから、というのもあります。過去にイメージしたものですので改めて書くと熟成された形でいい効果が出るのでは、と期待した部分もあります。

 

みなさんはどうお感じになるか分かりませんが、自分の作ったキャラクターはどうか大事になさってください。かわいそうです。

 

キャラクター以外の設定などはテーマに沿う事として全く違うストーリーを考えればいいと判断しました。それでも主人公の背景、バックストーリーとして役に立った事は事実です。

 

ベースとなった課題も紹介しようと思います。

 

人物

 

坂ノ上龍乃介(11) 坂ノ上家長男

 

三輪倫太郎(11) 龍乃介の親友

 

坂ノ上綾乃(24) 坂ノ上家長女、OL

 

同、志乃(21) 同、二女 レストラン従業員

 

同、靖乃(16) 同、三女 高校生

 

同、優乃「ゆの」(9) 同、四女、小学生

 

伊藤照美(26) 龍乃介の担任教師

 

あらすじ

 

姉妹の中で育った龍乃介は女装が生きがいである。

 

しょっちゅう姉の服その他を勝手に着て登校することを繰り返していた龍乃介は保健室登校となる。

 

女の子が男装するとカッコいいとされ、男が女装すると保健室送りになる矛盾を親友の倫太郎に訴えるが現実を諭されるばかり。

 

ある日兄妹が龍乃介の女装癖が原因でトラブルに巻き込まれる。

 

龍之介は悔い改める。

 

大人になった龍乃介は倫太郎と語り合う。

 

男に生まれた運命は変えられなくても他の形であれば変えられるのだと。

 

 

これって「運命」という課題でしたが、こうして改めて見返すと、どこが運命なんじゃ!とツッ込みたくなります。

 

ここで当時イメージした個性や行動をフィードバックしました。後述しますがこの相関関係もかなり手を加えて修正してあります。

 

こうしてキャラクターの原型は決まりました。

 

 

背景とか設定とか構成とか

 

キャラが決まったので物語のストーリーテラー、語り口ですね。考える段階になりました。

 

どのように決めていくか、まず考えなければならないのが設定です。

 

作家的には設定は後から付いてくるもの的が考えもあります。どういうことかというと、キャラクターにはじめから演じさせてその行く末はキャラクター自身に決めさせるというなかなか高度なテクニックをプロの方は知っているのであります。

 

つまり、キャラクターに委ねる、ということなのですがこの点を理解されている方はそうそうおられません。

 

シナリオスクールでも絶対に教えません。それはなぜかというと教えても理解できないからであります。

 

シナリオをある程度書いた経験がないと言葉で教えても理解に及ばないのです。管理者もあるプロの脚本家さんの文献で知った時には分かりませんでした。

 

でもシナリオを書いていくうちになんとなく「そういうことか」と合点がいきます。いくようになるのです。

 

大事なことなのでちょっと掘り下げてみましょう。

 

よく昔から知っている人、兄弟や親や親せき、友人がどなたにもおられると思います。その方々が次にどんな事を言うのか、どんな反応をするのか、どんな行動をするのか、予想がつくと思います。

 

 「あの人だったらこう言うよね」とか、「この人だったらやりそう」、なんて相手のしでかしそうな事がある程度分かってしまいます。

 

それはその人の”成り”というものを理解しているから予想が立ちます。そして当人はその通り行動したり喋ったりします。そして「やっぱりそうか」と感じられて、それを人生の中で何度も経験してその人の”成り”というものを理解し深めていきます。

 

この理屈を物語のキャラクターに反映させるのです。

 

「キャラクター、それが脚本のキモ」カテゴリーでも書きましたが、キャラを造形する場合に知っている人のいい所を反映、投影させると説きました。

 

それは知っている人を物語に持ち込むとその人が次にどんな反応や行動をとるか、予想が付きやすくなる為です。

 

キャラクターの全部を知人にするという意味ではなく、感情の揺れ動きやリアクションなどを描写するときに大変便利だから、イメージしやすいからそうしているのです。

 

それがキャラクターに委ねて物語を作る、ということになります。

 

作家は人物の性格や背景を書いて表さなくても作っておく必要があります。リアルの人間でも経験があって今の行動があります。

 

キャラクターにある程度の想定の経験値が備わっていないと人物に厚みというか説得力が出ません。

 

本来、小説もマンガも城戸賞もそうして構築するべきであり、故にプロの作家さんは1冊の本を執筆するのに年単位で時間をかけます。

 

逆にそのようなプロセスを端折るとやっぱりいいものとはならないと管理者は思います。

 

まっさらから作るには時間も手間も本当はかかって然るべきなのです。

 

その点、管理者は過去に考えたキャラクターを利用したので多少なりとも時間的には短縮できたのではと思います。内容はともかく。

 

そうはいっても福島の話なのに主人公がいきなり投げだして青森に引っ越されても困ります。

 

縛るとまではいきませんがある程度ゆとりを持たせた枠組みは決めておかなければなりません。

 

そしてこの枠組み、設定は作家的には後から付いてくるものでも、観客受け手はほとんどこの点で是か、否か、面白そうか、そうでないか、観るかみないかを判断しているのも事実です。

 

ユーザーは無視できません。面白そうにしなければなりません。

 

それがディテールとストーリーテラーになることだと思います。

 

それぞれのエピソード、シーンや展開などの個別の”パーツ”がディテールで、パーツの組み合わせ方がストーリーテラー、語り口です。

 

そこでどうしたか、ちょっと管理者自身の感じた事を振り返ってみました。

 

シナリオスクールの教育ではそれこそ起承転結しか解説しません。それは具体的な執筆に際してあまりにもおおざっぱ過ぎて使えません。

 

ですから管理者は”起承転結”という言葉が嫌いです。使えないからです。

 

他にも”主人公を困らせまくる”というのも教わりました。それもおおざっぱ過ぎて各論には至りません。

 

もっというと城戸賞に応募しましたが、今の日本映画を管理者は面白いとは思いません。進化を感じないからです。アニメのほうが進化を感じられて面白い。

 

そこで管理者自身が面白いと思う世界のスキームをアテにしました。

 

それはハリウッドです。

 

答えを白状しますが、物語を考えるにあたって参考にしたのが

 

 『故ブレイク・スナイダー氏の提唱する ”BS2”』 です。

 

このロジックを知った時にまさに目からウロコでした。

 

シナリオスクールでモヤモヤしか感じられなかったことがこの方の理論で明確に示されています。

 

シナリオライターを志す人は絶対知っておくべきと思います。

 

前述した映画のストーリーのタイプもBS2(ブレイクスナイダービートシート)に由来したものです。

 

正直、教えたくなかったのですがブレイクスナイダー氏の著書を目にされた方も多いのではないでしょうか。

 

そしてこのBS2にのっとって管理者の物語は発想した訳です。

 

   【出典】   

 

 

        

 

 

ハリウッドの仕組みを取り入れる

 

正直に白状すればこのブレイクスナイダー氏のBS2がなければ映画用シナリオなんて書いてみようとは思わなかったと思います。

 

だって、日本のシナリオ教本にしても脚本家のハウツー本にしても、シナリオ教書に限りませんが抽象論が多いのです。

 

とどのつまり、作家のクリエイティブ性にかけるしかありません。

 

どのような人がそういった作品が作れるかというとアニメで言えば長年現場で仕事をして理屈でなく肌で感じられる環境に身を置いた人なのです。

 

たくさんの脚本を職務上読む事が出来て実際の作家や製作陣の葛藤を目の当たりにしてきた叩き上げの人しか習得できないものなのです。

 

それ故、管理者のような”外野”から魅力を感じて志を持ってもなかなか真意に辿りつかない。

 

ましてや日本の映像業界は総じて貧乏ときている・・・・・・

 

ホンの一部のポジションにいる人しか儲からないのです。

 

日本映画がハリウッドに劣ると感じる原因は、お金をかけていないからであります。見比べれば一目瞭然です。

 

日本と違いハリウッドはシナリオ1本で人生が変わるほどのリターンが見込めます。当たらなければ儲からないのは日本もどこも同じですが爆発力のケタが違いすぎる。

 

日本はその文化が今日においてもまだ追いついていないと感じるのです。

 

ビジネス的にもお金をたくさん稼ぎたいならたくさん使わなければならないのです。

 

その点、日本の人は消費と投資の違いもあまりわかっていません。

 

管理者含め、高価値のものに高コストがかけられないのが実情です。嘆かわしいことに。

 

ブレイクスナイダー氏は自身もミリオンセラーの脚本を売っています。そんなハリウッドはエージェントといわれるシナリオライターと映画製作会社の間に入ってシナリオを売り込む専門職があります。

 

ライターを育て高額で売り込んで利潤を得る人やコンサルタントが多数存在します。

 

ハリウッドはそれでも売れたら何億というお金が動く可能性があるので書く方はもとより仲介する方も必死です。それ故、発達し文化になるまで歴史を作ってきています。

 

その世界に精通したブレイクスナイダー氏はBS2のような戦略を持っていました。それを管理者は試してみたかったのです。

 

無論、その指南通りに書いても結局は作家のクリエイティブ性が問われます。だから城戸賞で入選する事はまずないでしょう。

 

それでも書けると思わなければシナリオも小説もマンガも表現を発信する事はできません。

 

各論が欲しいのです、管理者みたいな素人は。

 

それはシナリオスクールの使命だと勘違いしていましたがそれも経験です。

 

テンプレートではありません。

 

時系列に従ってどこにどんな描写を置けばいいのか、展開はどうすればいいのか、どこで窮地に立たされて、どこで巻き返しするべきなのか、もう起床転結なんて適当過ぎるのです。

 

BS2では約2時間の映画コンテンツの中に15のセクションがあります。

 

それぞれ似たような内容にはなっていません。そして必ず根拠があります。その根拠を理解しなければ組めないのです。「起承転結の”承”の中に起伏を複数作る」だけでは分からないのです。

 

管理者もBS2を完璧に理解した訳ではありません。でもそういう”書けそう”と思える事、私にも出来そうと思わせる事がコンサルタントのなせる技なのです。

 

コンサルは脚本家では出来ません。講師なんてもっと専門外です。

 

そういう環境しか日本の場合、ないのです。

 

どうか外に目を向ける事を管理者は強くオススメします。

 

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