ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

与える事ができる希

 

希のキャラクターの持ち味は「包容力」です。

 

面倒を見られるより見る方、もらう側より与える側に位置する人です。
合宿の課題でもある先輩禁止においてその輪に入りづらいメンバーがいました。

 

真姫は、内心ではμ’sを承諾しているももの、それを素直に表現できません。
海未とは違った恥ずかしがり屋さんなのでしょうか。
気持ちを隠すため事あるごとにツンツンしてしまいます。

 

その性分は真姫にとって精神的な負担となります。そのようすを希は経験則から察知します。そして希は真姫に対して積極的に絡みます。それは真姫の利益の為でもあるのです。

 

希の行動は返報性の法則に従っています。
人に恩恵を与える事による効果を期待しています。

 

返報性の法則は”送る”と”お返し”だけの圧力に留まりません。
ある著名な社会学者が申すには人間文化における贈与過程では社会的圧力として「与える義務」「受け取る義務」「お返しをする義務」がある、としています。
この「受け取る義務」とは簡単に言うと、人は誰かから何かを差し出される行為に対してムゲに断ることが出来ない、断ると気まずい気持ちになる心理のことを指します。

 

これが受け手に強力な圧力として伝わります。

 

真姫にしても希のちょっかいともとれる行為をめんどくさそうに受け入れるのは、断ると気まずくなることを知っている為です。

 

リアルでも象徴的なシチュエーションがあります。
会社でも仲間内でもよく酒の席において「お酌」をします。お酌する人は好意でお酌するわけですが、お酌される方はそれを受けなければならない妙な義務感を感じてしまいます。

 

そしてそのお酌を断ると今まで自分に向けられていた相手の好意が全く正反対の感情に変化してしまいます。

 

そして「俺の酒が飲めね〜ってのかい!」(怒)となります。

 

お酌ひとつとっても返報性の法則が作用してその原則を乱そうとすると不快感となって伝わるのです。
人はこの仕組みを生涯を通じて学びます。施されたら受け入れなくてはならなくなる事、受け入れたらお返しをしなければならない事をあらゆる場面で直面します。

 

しかもこの原則の威力の凄さは相手の施しが受け手の嗜好に関係なく働いてしまう点にあります。
例え受け手が欲していない無用なモノでもこの圧力は発動してしまいます。先ほどのお酌の場合も同じです。

 

管理者は酒がダメなのでいつもこのような席では、いかに相手の好意を裏切らずに収めるか苦労するのですが、たいていお酒の席では一人や二人施したいヤツが出てきます。

 

こいつらの酌をしてまわる飲み物は基本的に対象者の飲みたいものではありません。

 

中にはワインを飲んでいる人でも別グラスにビールを注ごうとする場合もありますし、管理者みたいに飲めない飲み物であっても「気持ちだから」とかなんとかいってグラスに注ごうとします。

 

例え飲めなくて残して捨てる運命のビールであっても、その好意を断る理由にはなりません。というか、ならなくなるのです。

 

ここまで話を進めると「なんで?断りゃいいじゃん」と思われる方もおられるでしょう。確かに断ることで返報性の法則から逃れられはします。
ですがこの原則の本来の機能は相互補完です。

 

人や社会が円滑にまわり成熟する為に必要不可欠で普遍的なものなのです。

 

簡単にいうと返報性の法則を破ると嫌われます。「人情が薄い」とか「恩を仇で返すやつ」扱いされます。

 

それもこちらが望んでいない恩に対してもそう言われてしまうのです。

 

また人の施しを受け入れない、断るという選択は人の心理に不快感を残します。
さらにハタ迷惑なレッテルを貼られたら大きな心理的負担になります。

 

それを避けるべく人は時として不公平な取引にも”大人の事情”で応じてしまうのです。

 

もちろん欲しているものを授かればそれは送り手受け手双方に相乗効果をもたらし拡張していけるものになるでしょう。
この原則の創造主はこのような拡張を前提として作ったはずなのです。

 

ですが悪い方にも同じように相乗効果を強力に発揮してしまうのがこの返報性の法則なのです。

 

普遍的でありながらけっこうヘッポコな側面もあるのです。

 

無論、希はこの原則を良い方向に使おうとしています。
真姫の殻を破るにはこれくらい強力な力があったほうが効果が早いのでしょう。

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