ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

譲歩がより強力

 

返報性の法則による強力な影響力はさらなる条件が加わるとより威力を発揮します。

 

晩ご飯を終えたメンバーはそれぞれ意見が分かれます。
穂乃果はお茶、凛は花火、海未は練習、真姫は寝る、花陽はお風呂・・・まとまりがありません。

 

希はそんなバラバラな意見をまとめます。
おおまかな予定を考えて提案しお互いに譲歩させて合意点を見つけてしまいます。

 

意見が分かれた時やお互いの主張が対立した時、相手に要求が通らない場合などの対処法として「譲歩」があります。
この「譲歩」も返報性の法則に則り人に大きな影響力を与えるものなのです。

 

いままで紹介してきた返報性の法則は人に何かを与えることで力を放つケースでしたが、これはモノや情報、お金等だけではありません。

 

 「譲歩」という行為に対しても働きます。

 

しかも恩義を感じるよりずっと強力なのです。
セールスの世界のテクニックに「ドア・インザ・フェイステクニック」というものがあります。
訳すと「譲歩的要請法」となります。相手に承諾させたいもともとの要求よりも過大で誇張した要求をあえて最初に言い出します。
過大な要求なので当然却下されます。
却下されたら、もともとの要求を出します。

 

これにより自分の要求を相手に承諾させやすくなる効果が期待できるのです。
承諾させたい相手は最初の過大な要求と、元の希望の要求とのコントラストにより過小評価するのです。

 

元の要求だけで承諾を求めた時と比べ承諾率が格段に上がります。

 

例えばお金を5万円借りたいという要求があったとします。
承諾を試みる相手には最初にあえて「20万円貸して下さい」と頼みます。
当然却下されます。
そこで「5万円ならどう?」と譲歩します。相手は20万円と5万円の差にコントラストが働いて5万円をそんなに高いと思わなくなります。

 

この方法はヘタに頭を下げ詫びまくるより絶大な効果を発揮します。

 

簡単なのでやってみてください。
この要求を受けた相手は確かにコントラストが働いた結果お金を貸したのですが・・・
実はそれだけではないのです。

 

興味深いのは、最初拒否られる前提で提示した金額ではありますが、この時点の相手の態度は”拒否”でした。
それが譲歩したら”承諾”に変わった点です。

 

譲歩をきっかけに相手が180°方針を変えました。
この相手の方針すら一瞬で動かしたらしめる仕組みが譲歩による返報性の法則なのです。

 

お金を貸して下さいと頼まれて20万円から5万円まで譲歩した結果、額面のコントラストにより過小評価すると同時に「譲歩」を与えられてしまいました。

 

依頼者から「譲歩」という恩義を受け取ってしまったのです。

 

これにより返報性の法則が働きます。
 「お返し」をしなければならない心理にて承諾せざるを得なくなりました。
本来恩義を感じて然るべきはお金を借りた依頼者のはずですが、借りた恩義と同等以上に「譲歩」にも如実に返報性の法則が働くのです。

 

また譲歩による返報性の法則にはさらに特徴があります。
それは譲歩による返報性の法則にて合意を得られた場合、その内容にお互い責任を強く感じると同時に満足感も得られるのです。

 

譲歩によって最初の希望から離れてしまったとしても、譲歩を経ないで成立した交渉よりも格段に責任感が増し、満足感も増すのです。

 

管理者はテレビを見るときにつまらない地上波は見ないでディスカバリーチャンネルとかナショジオとか、CS放送をよく見ます。
その番組の中で日本ではあまり馴染みのない値段交渉のシーンがとても多く登場します。

 

欧米では当たり前みたいですが、日本は定価主義で個人レベルでの交渉はあまりしませんよね。
テレビの中の値段交渉は中古車だったり、アンティークだったりさまざまですがやり方はほぼ一緒です。

 

最初にお互い希望金額を提示しあいます。当然隔たりがあるのでここからお互い「譲歩」しあいます。交渉中で値段で折り合いが付かなくなりそうな時は別の商品を付けたりサービスを約束したりします。

 

よく聞くセリフは「間(あいだ)をとって」です。

 

これで交渉成立となり握手を交わします。
この時の双方の当事者の顔がとても満足げな様子に管理者はいつも違和感を覚えていました。

 

日本では直接交渉が馴染み無いせいなのかもしれませんが「なんでお互い希望通りにならなかったのに笑顔なんだ?」と感じていました。

 

そして返報性の法則を学んで合点がいきました。

 

譲歩による相互補完機能というのは、互いに譲り合うことで成立成功すれば人の原則、返報性の法則と相まって心理的にその行為の価値を高めて主体的な責任と充実した満足を得られるようになっているのです。

 

つまり人間は人の営みに準じた行為で譲歩した結果、うまくいけば幸福感を感じるようにできているのです。

 

日常的で譲歩を伴うような行為は日本人は得意ではないというか昔からやってないので日々些細な事柄でも譲歩を使って幸福感を得られる欧米社会は進んでいる文化なのでしょう。

 

値段で言えば日本は一方通行で相手の都合なんざ聞いてくれる余地はありません。
それはともかくこのように譲歩による返報性の法則はマシマシで人に影響力を放ちます。

 

なんか譲歩したら損した気分になり譲歩させたら相手に悪い気がしますが、人間の原則ではないのかもしれません。

 

この日本独特の美学、奥ゆかしさは、現代において”使いよう”なのではないでしょうか。

管理者著書

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