ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

真姫のありがとうの意味

 

#10先輩禁止!では返報性の法則、原則になぞって人の真意を説いてきました。

 

真姫が合宿を通じて獲得したものについて考えてみましょう。

 

社会に生きる上で人間たらしめる恩義のネットワークである返報性の法則は、派生する義務感により人は多大な利益を受け取る事ができます。
この仕組みにより人は他者に何かを与えても無駄にならない確信が持てました。

 

貰う前に与える事から始められるようになったのです。

 

確かに返報性はいいことにも悪い事にも”お返し”してしまうのですがμ’sのロジックはいいことに使われている好例でもあります。

 

当事者の好き嫌いに左右されない返報性の法則においてこの点は非常に重要で、向けられた人の運命をも決めてしまうほど強力な力なのです。

 

このロジックを決めるにあたって希と絵里は思いやりを選びました。
この”思いやり”がメンバーに対して最初に与えたものになります。そしてなかなか頑固だったのがかつての絵里に似た真姫でした。

 

よくギブアンドテイクなんて言葉を耳にします。give与えてtakeもらう仕組みをそのまんま表したものですが実際のところ、これでは足りません。

 

これはリアルでもフィクションでも共通です。
ギブは一つでは不足で、ギブ!ギブ!ギブ!ギブ!ギブ!アンドテイクが本当のところです。

 

これでもか、というほど与えまくってようやく貰うことができます。

 

真姫の場合もモノこそ与えられていませんがμ’sの「輪」に何度も巻き込まれます。
真姫は「なんなの、いったい」と半ば嫌がっても希はひたすら巻き込み続けます。

 

普通は一度でも嫌がられたら遠慮してしまうのでしょうが、希は経験からの確信があって行動し続けます。
それは真姫の為、強いてはμ’s全体の利益になることを知っている為の行動なのです。

 

この利益とはお金ではありません。目標に向かって楽しい事も苦しい事もみんなで共有し達成感を分かち合いましょうというものです。

 

真姫は出待ち中学生にもちゃんと配慮できるほど思いやりのある人です。
なので一つ壁を壊すことができれば後は勝手に成長します。

 

ひたすらギブする必要性を説きましたが真姫の場合は一つの壁さえ壊せればもうギブする必要は無くなります。今までだってμ’sにざんざん楽曲をテイクしたわけですから。

 

そんな真姫を希はイベントに巻き込みます。お泊りイベントでは定番のまくら投げが勃発します。

 

実は返報性の法則には”程度”と”幅”が存在します。
程度とは受けたものに対して返すものは、受けたものに相当するというものです。

 

今回のまくら投げの場合、希は真姫に濡れ衣を着せました。
いい事も悪いことも返報するので”仕返し”にも該当してしまいます。

 

それで「やってやろうじゃないの!」となりました。

 

希は思惑である「輪」の中に真姫を入れる事に成功します。
ここでこのまくら投げイベントを客観的に見ると、普段生活していて寝るときに誰かとまくらなんか投げ合いません。
まして真姫の性格は、いままで修学旅行などで同室の仲間とそのようなシチュエーションになったとしても自分からは参加しなかったはずです。

 

このイベントはとてもレアな経験になります。

 

この”レア”さ加減が真姫の心理に強い印象を与えました。
この印象の強さが受け取ったもの以上の拡張を促します。

 

もう一つの要素、幅とは受けたものに相当するはずの”お返し”が比例して同じようなものにはならず、結果的に与えられたものに比べ拡幅拡張することもあるということです。

 

与えたものに対してお返しの振れ幅は一定でなくフレキシブルで、例え与えたものが小さくてもお返しが大きくなる場合もあるのです。

 

リアルでも例えば投資はこの概念に当たります。
投資は与えたものが結果的に元のものより大きくなって利益として帰ってくる仕組みを指します。

 

希の行動は心理的な投資と言えます。

 

希は自分の思いやりが拡張して真姫の利益になるよう期待しています。
そして真姫はちゃんと言えるようになります。

 

真姫の心理が壁を壊した瞬間です。

 

ラストシーンは早朝の海辺で希が種明かしをします。
理由を説いて納得を促します。メンバーみんなで手をつないだ真姫は、またツンツンしたら心理的不安に陥ることを学びました。

 

もう壁を作る理由もありません。
返報性の法則に従って恩を返す言葉「ありがとう」と素直に言うことにより解放され幸福感を味わいます。

 

真姫が合宿を通じて得たものとは「一体感による充実感」だったのではないでしょうか。

 

このように返報性の法則はいい方向でまとまれば人に「満足」を与えてくれるのです。

管理者著書

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