ネガティブマインドの後始末
本来人は成長していく習性が備わっています。
子供の成長を見ても明らかな通り、勝手に成長します。
出来なかった事が出来るようになり、分からなかった事が分かるようになります。
でも大人になるにつれ経験を積めば積むほどその逆の力を感じるようにもなります。
物事が分かってくるとやるか、やらないかの選択をします。
そしてなぜかやらないほう、ネガティブな方向に選択しがちになるのです。
それはやったときの自分が想像出来る為でその想像によると失敗したりうまくいかない姿が写ります。
それで「やっぱやめた」になるのです。
穂乃果は自責の念に苦しみます。
自分のせいで自分自身が痛む事は「しょうがない」でも片付きます。
それよりもっと苦痛を感じるのが他人、しかも親しい人が痛むことなのです。
それが自分のせいなら最悪です。
他人に与えた苦しみの代償は「しょうがない」では誤魔化せません。いつまでも心に残り続けます。
このネガティブな感情はモチベーションなんか一気に吹き飛ばすくらいの強力な威力と持続力を放つのです。
穂乃果の失敗にμ’sのメンバーはやさしく接します。
でもよく”罪と罰”という言葉の通り、罪を犯したら罰を受けねばなりません。
罰とは悪い事をした人を困らせる、痛みを与えるという意味ばかりではありません。
穂乃果が罪を犯したならば何かしらの罰を受けないと穂乃果本人が苦しみ続けてしまいます。
罰せられてそれを終わらせれば一定の”ケリ”がつきます。
罰を受ければそれ以降悩まずに済みます。
自分の”せい”を清算するプロセスが必要なのです。
そのプロセスを踏まずにそのままにしておくと自分で自分を罰するようになります。
自殺の要素にもこれが当てはまります。
もちろんこれには穂乃果みたいな一定の人間性が伴う人に限ります。
どうしようもない、そんなこと微塵も感じない無神経な人間もたくさんいるのですが、ある意味”いい人”が苦しみ、痛みに弱い特徴があるように思えます。
励ますメンバーの声はあまり穂乃果に届きません。
穂乃果にとってことりの存在はメンバーの中でもかなり上なのです。
例え上級生の絵里や希がやさしい言葉をかけてもことりを傷つけた意識は消えません。
管理者は心理学をかじって驚きました。
上記の通り、人は成長が身上と思っていたものが全く逆で負の要素にとても強く反応するのです。
確かにいいことより悪い事のほうがいつまでも心に残ります。
そしてその負の感情をいつまでも抱き続けていると、いいことも大した事に感じなくなくなります。
この心の仕組みは人生経験で分かりますので取捨選択、いらないものはとっとと捨てる事をします。
その経験から己の身を守れる事を知っています。
管理者は学者でも何でもないのですが人の心の部分にも社会的証明が働くのではないかと思います。
社会的証明とは前述の記事に書きましたが、みんなが行く方向につられて同じような行動を自分も選んでしまう、という心理です。
みんなが行く方向は心に例えると気持ちの方向性にあたると思います。
つまりポジティブな気持ちなら多少ネガティブな事があってもポジティブに感じられ、なんとなくネガティブな心持でいるといい事があってもいいとは感じにくくなるような気がします。
つまり、流される、のです。
そんな人の特徴を裏付けるがごとく「心の持ちよう」とか「要は考え方次第」という言葉があるのではないかと思われます。
他にも心理的な事で言えば「損失回避性」というものが人には備わっています。
これも前述の記事にしましたが、人は得るものより失うものの方が圧倒的に忌み嫌うというものです。
このようにネガティブなものに強い反応をしてしまう人の特性を知ればいかにポジティブな思考を保つのが難しいか理解できます。
難しいのですがネガティブを究めても何も生まれません。
生まれないどころか病気になって死んでしまうかもしれません。この世で生きていくには多少なりともポジティブでいなければ、やる気さえ湧いてこないのではないでしょうか。
まして成功を望むのであれば尚更意識すべきです。
ネガティブマインドもポジティブマインドもどちらも自分に跳ね返ってきます。
どちらも同じ属性で返報します。
ネガティブがポジティブに変換はされません。
この仕組みを知らない無知な人を管理者はたくさん見てきました。
勝手にネガティブスパイラルにハマって抜け出せなくなっています。それは見ていて哀れなモノです。こうならないでください。
本人も不幸だし周りも迷惑なので、人の心の仕組みを理解したならば気を付けてください。
心がけを一つお伝えします。自分以外の人にネガティブな言葉を言わないでください。
誹謗中傷なんてもってのほかです。
なぜか、自分の吐いた言葉は自分で刈り取らなければならなくなるからです。
抽象的に聞こえるかもしれませんが心理的社会的に検証しても吐いた言葉でさえ本人にまた返報するのです。
刈り取るものがペンペン草か、たわわに実った甘い果実にするかはその人次第ということです。
あと気を付けたいのがネガティブマインドは思考停止を引き起こします。
ネガティブな心持でいるとなんでもかんでも面倒くさくなります。考える事自体カッたるくなります。
この後の穂乃果の状態が如実に物語っています。
屋上でメンバーに「辞めます」という直前、ふっと穂乃果の表情が緩みます。
これは言葉で表すと「もういいや・・」になると思います。
先のことなんか思考が停止しているので理解も想像もできません。
この瞬間がラブライブ!第一期の最大の山場になるのです。