ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

活動休止の真実

 

穂乃果がμ’sを辞めると言ってからμ’sの活動休止までそんなに時間経過していないように見てとれます。

 

名目上”活動休止”なのですが実質解散といっていいでしょう。
μ’sが活動を再開するには新たな動機が必要な局面です。

 

#13アパンでは絵里が活動休止を提案しますが にこを除く他のメンバーはそれにあっさり同意します。
無論絵里の言うとおり、ことりがいなくなることが確実で、穂乃果が抜けて、当初の基本的な目的も達成できて、μ’sのパッケージとアイデンティティが崩れたことも活動休止の具体的な理由なのですが、それだけで解散に匹敵する決断を受け入れるものなのでしょうか。
μ’sに起こった現象を考察してみます。

 

その前に…少しだけ経験談。
管理者は高校時代バスケ部に所属していました。およそ3年生はインターハイが終われば引退となり日々の練習にも参加義務がなくなります。
強いチームではなく大した成果も出せないまま早々に敗退して3年生は部活を実質終えたはずなのに、何人かの先輩はそれでも練習に参加していました。

 

今思えば、単純に試合で勝つことだけがバスケをやり続ける理由ではなかったのでしょう。
これはバスケ部に限らずどこの部でもそんなような先輩がいた記憶があります。

 

μ’sでも学校存続が決まって、それが目的達成だったとしても果たして活動を止める理由になるのでしょうか。

 

これはリアルとかフィクションとか関係ない話です。
例え物語の中のフィクションでも人間社会を描くものなら整合性が伴わなければ品質は下落します。
2年生の次は3年生になるようにしなくてはなりません。サザエさんみたいに家族全員歳をとらない設定であれば、そういう前提を物語に与えなければなりません。

 

シナリオ的にこの場合、時間経過の描写が使えない、使わない事になります。

 

μ’sは嗜好の集団です。
アイドル活動が好きで集まった集団です。学校存続のために集まった生徒の集団ではありません。
その前提をも覆したものとは穂乃果の行動によるところが大きいのです。

 

心理学で社会的証明があります。
記事にもしましたが”みんなが行く方に自分もつられて同じ行動を真似してしまう”心理を説いたものです。

 

この社会的証明の中に「ウェイテル効果」というものがあります。
これも前述の記事に少し載せましたが、穂乃果の行動がμ’sのメンバーの心理に「ウェイテル効果」を働かせてしまい、結果μ’sを活動休止に至らしめました。

 

簡単にいうと「ウェイテル効果」とは”模倣”する心理を指します。
名前の由来は、歴史的に有名なドイツの文豪、ゲーテさんの出世作である小説「若きウェイテルの悩み」からきています。
この小説は主人公ウェイテルの自殺を扱ったものなのですが、当時ゲーテさんが有名になるほどヨーロッパで売れたそうです。
売れたと同時に起きた社会現象が主人公ウェイテルを真似た自殺者の急増だったそうです。

 

その影響力が大きすぎて、当時事態を重く見た国は本の発売禁止にしたほどでした。
この因果関係を後の社会心理学者が「ウェイテル効果」と名付けたそうです。

 

現代日本において冗談のような話ですが実話でありリアルに生きる我々にも該当する心理です。
人に備わる基本的な反射機能なのです。
小説「若きウェイテルの悩み」を読んだ人はその物語から影響を受けて自分の生死に関わる決断までさせてしまいました。それほど「ウェイテル効果」はハンパない強烈な威力があります。

 

μ’sに置き換えてみましょう。
穂乃果の決断「スクールアイドル辞めます」という言葉と行動は「それと同じ行動をしなさい、それが正しい選択である」というメッセージをメンバーの心理に埋め込みました。
そこへ絵里から、また絵里の心理にも辞める決断が正しいと思わせてしまいメンバーに提案させました。
提案されたメンバーにも同様の心理的認識があります。「それが正しい」と無意識に思ってしまったのです。

 

結果、活動休止となりました。

 

この心理に抵抗したのはスクールアイドルに特別な思い入れのある にこだけでした。

 

そのような確固たる意志でも存在しない限りこの「ウェイテル効果」は無意識に人の判断に介入できるのです。更にこのウェイテル効果は”自分と似ている”部分が多い他人の言動行動には特に強烈に働きます。

 

穂乃果と他のメンバーは同じスクールアイドルグループです。
学院の中にμ’sのメンバー以外該当する人はいません。いつも同じ行動を共にしてきた似たもの同士です。

 

リーダーで権威性もある穂乃果の言葉と行動は基本的に模範と認識されやすい特徴もありました。
いままで穂乃果を模倣することでメンバーは心理的不確かさを感じないでアイドル活動してこられた側面も影響しています。

 

いま穂乃果がケンカ別れみたいな形でμ’sを去りました。
メンバーは意志決定機能を失い心理的に不確かな状態にあります。

 

ウェイテル効果はそんな自分に確信が持てない時にこそ、類似した他者を模倣し、安心を求めて指し示すところに従ってしまうのです。

 

つまり穂乃果と同じくスクールアイドルを辞めてしまうのです。

 

社会的証明は印象の度合いに効果が左右されるようです。
人はポジティブなものよりネガティブなものに強い反応をしてしまいます。なのでウェイテル効果の実例を検証してもいいこと、ポジティブな結果がでるものが見当たりませんでした。

 

人の”負”に働き生死の判断にも関われるほど強いのです。

 

本来、社会的証明は生きていく為の便利な人の自動操縦装置のひとつでしかありません。

 

 「私もやるけどあなたはどうする?」と聞かれればあまり考える事をしなくても「やるやる!」と判断しやすくする、結論までの思考の負担を減らすものであります。

 

それが時として好ましくない方向にも同じ以上の力を発揮してしまいます。

 

防衛手段は にこみたいに「受けた印象」と「自分の意志」を再確認することです。

 

よく流されるとか流されないとか言います。
流されない意識で挑めば自動操縦を解除できます。

 

なにも考えなければ心理に従ってしまうしかなくなるのです。
そんな影響もあって一旦は離れるμ’sのメンバーですが、心に引っかかるものがあるような描写がなされています。そりゃそうです。

 

だれもこのような結果を求めていなのですから。

管理者著書

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