ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

オリジナルの作り方

 

自分のオリジナルを作りたい場合、この世の中だいたいの事や分野は誰か先に極めていて余地が無いようにも見えます。

 

確かにそうです。
事業を起こそうとしてもこれもあれも使い古されたモデルでもう魅力さえも感じません。

 

 「お前の入り込む余地なんてないよ」と言わんばかりでイラッときます。

 

そこで誰もやっていないか、やっている人が極端に少ないであろう事を模索します。
有効なものが「要素の組み合わせ」です。
つまり既存の何かと既存の何かをくっつけて新しいものを作るのです。

 

ラブライブ!もそういった発想で出来ています。
スクールアイドルは既存のスクールに既存のアイドルをくっつけた結果でオリジナル性を出しています。

 

どちらもドラマのシチュエーションとしては使い古されたフィールドではありますが融合させることで新しい価値を創出しています。
この思考はリアルとも共通しているのです。

 

そしてラブライブ!で展開される物語は昔からあるサクセスストーリーでもオリジナルであるが故に際立ちます。くっつけること、組み合わせで魅力を出しているのです。

 

それでも闇雲になんでもくっつければいいのかというと、それは間違いになります。
ここが肝心で難しいところでもあるのですが、くっつけることでオリジナルは作れます。でもくっつける要素が相乗効果を発揮しなければ破綻してしまいます。お互いの要素が反発しあっては元も子もありません。なので設計が要になります。

 

設計についてラブライブ!で検証してみましょう。
一つ目の要素”スクール”の舞台、音ノ木坂学院は何の変哲もない普通の女子高設定です。
そこに穂乃果たち生徒に行動させる動機=廃校の事実が与えられます。学院のその意志は穂乃果たちの意志に反したものでした。
それは彼女らに不満、不安要素として働きます。人は自分が不満や不安を覚えると解消したくなります。それが動機となり行動を促します。スクール単体では問題解決に至らない事を知った穂乃果はスクール以外の他の要素を探します。

 

目に着いたものは成功例でもあるUTXのA-RISEでした。

 

音ノ木坂学院とUTXは同じ”スクール”です。そこに二つ目の要素”アイドル”を見つけるに至りました。芸能活動の”アイドル”を”スクール”に取り入れる有効性がそこに証明されていたのです。
スクールアイドルのモデルケースは穂乃果が知らなかっただけで既に流行りにもなっていたことを考えるとそんなに新しいものでもありません。
ですが流行っている、みんなやっていることはこの場合、古くはありませんが使い古された要素、既に先駆者がひしめくレッドオーシャンとも見てとれます。

 

ここで穂乃果の選択し組み合わせたものを再度考察すると、まず要素の一方にプロフェッショナル性が含まれています。それは一つ目の要素”スクール”です。音ノ木坂学院もUTXも学校です。そこにいる人は、いわゆる学生の専門家です。

 

おかしな表現にも思えますがれっきとした事実なので認識を改めたいと思います。つまり穂乃果はじめ女子高生は”女子高生”の専門家なのです。拡大解釈すれば学生の専門家であり物事を習う人たちという意味では入学希望者の中学生と同じ属性にいます。

 

学生の専門家は学生の目線で発想できます。

 

何を良しとし、何を嫌い、何を好むか、など一般社会人では判断が付きづらい事も学生なら分かって然るべきなのです。この点が専門性であり対象者と共通する部分になります。

 

攻略すべき相手を知らなければ送り手として不十分な事は前述でも説きました。
要素の一つめの”スクール”は見ただけだと舞台とか環境にしか見えませんが実はそこに専門性が隠れているのです。

 

それが要素の組み合わせに必須な条件になります。
要素の組み合わせで注意したいのが「素人同士は成立しない」という現実です。これをしてしまうと上記のとおり反発して破綻する公算が高くなります。
どちらか一方は専門性がなければ成り立ちません。
もちろん両方専門性があるのなら最強になりますがどちらも素人、専門分野がなにもないとうまくはいきません。例えばスクールアイドル企画を保護者会が主催したとしたらスクールもアイドルも素人になります。よほどインサイドな企画にしない限り上手くはいかないでしょう。

 

ただくっつければいいというわけではないのです。”スクール”の要素の意味は穂乃果は理解していなくても判断は正しかったのです。穂乃果は現役の女子高生であり、学生のプロフェッショナルでもあるのです。

 

そして同じ属性からヒントをもらいました。しかも間違いのない一流の成功例から導いたのです。

 

全く属性もなにも考えず見たものだけで判断すると自分本位、受け手無視になり入学希望者の感覚に引っかかるものは見えてこなかったでしょう。
自分たちと同じ属性のUTXを見に行って対象者を目の当たりにしました。A-RISEに手を振る中学生が多かったのです。

 

穂乃果の遠足以来の早起きをしてやった事、これぞマーケティングなのです。

 

穂乃果は二つ目の要素の”アイドル”は素人同然ですがそのやっている行動に魅力を感じました。
率直に「やってみたい」と思ったはずです。
素人の部分は後からでも補強ができます。専門家も最初からいなくても追々組み込んでいけますし、実際μ’sはそんなメンバーの集まりです。ですが”スクール”の専門性は無視できません。
スクールアイドルはこの専門性、プロフェッショナル性で立ち上げられたのです。

 

さらに考察すべきはレッドオーシャンから取り入れた部分です。競合ひしめくレッドオーシャンですが参入するにあたってデメリットばかりかというとそれは違います。競合が多い、使い古されるほど昔からあるという事は需要が他の分野より多い、高いということにもなります。

 

そこへ誰もがやっている事で参入すれば当然淘汰されてしまいます。ですが需要が多いということはそれだけ見ている目も多いとなります。誰かがダメでも誰かは良いと評価してくれるチャンスが多いのです。

 

既存の方法以外の魅力を創出できれば市場が広いが故に一気にランキングは上がります。その誰もやっていない部分を作り出す方法が要素の組み合わせになります。

 

これが競合を嫌って需要の少ない分野から開拓していこうとすると、いい商品やサービスを創出しても知る人ぞ知るになってしまい、せっかくのいいものでも火が消えてしまいます。

 

入学希望者を集めたかったら対象の中学生に人気のあるもの、送り手から見ればレッドオーシャンでなければ、いいものを作っても評価されにくくなってしまいます。

 

もうひとつ言えることは”流行りもの”である点です。

 

流行りものは短命です。いい時は爆発的にいいのですが流行りが過ぎれば一気にしぼみます。
でも穂乃果たちには好都合でした。来年の入学希望者をなんとかしようという話なので流行りに乗って短期決戦で集中して爆発したほうがアピールになります。

 

昨今のアニメを見ていてもこの要素の組み合わせが主流かと思うほど工夫創作されています。
このページではラブライブ!におけるスクールアイドルだけに着目しましたが、それに限らずありとあらゆる発想にこの組み合わせ理論が浸透しています。

 

このようにただのアニメのフィクションでも馬鹿にできません。
これだけリアルな原理が盛り込まれています。

 

それをスルーするか、ヒントにするかはその人次第なのです。

管理者著書

『シナリオ技術とビジネスセミナーの融合〜売れるバックエンドのストーリー〜』



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