ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

広告の効果

 

ことりの作ったポスターってなにげにかわいいですよね。ちゃんと構図も考えてあって楽しいです。

 

そんなライブ告知&グループ名募集に反応する人、興味がある人が出てきます。
果たしてこの告知ポスターはいったいどれだけの情報を発信できたのでしょうか。結果は後のファーストライブで出ることとなります。

 

この時点では穂乃果海未ことりの3人がスクールアイドルを立ち上げた事実と、ライブのインフォメーションと、グループ名の公募と言ったところでしょうか。

 

ですがこの広告ポスターの主たる目的はライブへの誘導と思われますが、いろいろ詰め込みすぎて伝わりにくかったのではないでしょうか。

 

リアルの世の中の広告を見てみると特徴としてあまり情報量は多くありません。週刊誌のようなゴチャゴチャが身上の広告は別として、わかりやすい表現で簡単なメッセージが一つ、多くて2つくらいまでしか書かれていません。

 

商品広告の場合、その商品を販売している会社は他にもたくさん商品を出しているにも関わらず、およそ一つの商品を一つの広告に出しているだけです。
この理由は簡単で「複雑にすると見る人が見てくれなくなるから」なのです。

 

ポスターなどで不特定な人たちに告知する場合は書いてある事柄が多いと見ません。
見向きもされません。
よっぽど興味があるカテゴリーでもない限りスルーします。人は考えたくない生き物とは前述の記事にも書きましたが自分と関係なさそうなものは特に考えません。

 

そんなわけで穂乃果たちが作ったポスターは見る人が限りなく狭い範囲にならざるを得ませんでした。
ポスターの前を通り過ぎる人みんながみんな見る訳ではないのです。

 

コツと言うほどではありませんが、1広告ワンメッセージが基本です。

 

 ”一つだけ何を知ってもらいたいか”を考えて複数あるようなら広告自体を分けます。
一つの広告に詰め込んでは失敗します。穂乃果たちの場合なら全部で3つポスターを作らなくてはなりません。そこまで視覚を簡略化しても、実際はそれでも見てもらえません。そこで目立つデザインだったり目を引くキャッチコピーが必要になってきます。

 

人は読む事が苦手です。

 

それより見る方が簡単に理解を得られます。なので読んで理解できる形にしないで、見て分かる形にします。一目見ただけで伝えたいメッセージが分かるように工夫するのです。

 

巷の広告を見てみると苦心の証が見てとれます。電車の中吊り広告でもそれぞれ見比べると見やすいか見にくいかが分かります。

 

視覚だけに訴える広告の方が圧倒的に目に入り易いのです。

 

ちなみに管理者のご覧頂いているサイトは広告ではありません。情報発信です。なので文字だらけです。例え読む人が面倒くさくても読むことで利益をもたらすよう設計してあります。
以前、聖地巡礼サイトを作った事があります。広告ではありませんが見て理解した方が早いので画像だらけになりました。
このように見る側の視点で構成しないとせっかく作ってもシカトの嵐に遭ってしまいます。

 

もうひとつ穂乃果たちの広告には致命的な欠陥があります。
それは提供したことによる観客のメリットです。見た人が行動するにあたって何にメリットを感じるかが完全に抜け落ちています。

 

ことりポスターを検証してみると・・・
スクールアイドルを結成しました→見る人はなんで?となります。
ライブやります→見る人はそれで?となります。
グループ名募集→他の人が考えるんじゃない?となってしまいます。

 

ポスターを見た他の生徒は”?”だらけになってしまいます。

 

具体的にポスターを見た人にやって欲しい行動とその行動によって得られるメリットを盛り込まなければ観客として行動のしようがありません。

 

見た人は結局ひとごとに終始してしまいます。
このポスターの構成をみる限り、構図はかわいいのですがあまりにも全校生徒がおよそ見るだろう、読むだろう、わかるであろう前提で作られています。
残念ながらこのポスターの方向性は他の生徒に見せる為のものでなく、穂乃果たち自身に向けられたままになってしまいました。
この対象者を無視した告知ポスターは機能不全になっていたはずなのです。それがファーストライブに結果として出てしまうのです。

 

もっとわかりやすく、全校生徒が共感できるような分かり易い内容にしなければ理解されません。
例えばライブを開催するにしても「廃校阻止総決起集会ライブ」とか勝手に銘打っちゃいます。
この一つのコピーだけで穂乃果たちのスクールアイドルの目的が見る人に伝わります。視点はユーザーでなければなりません。

 

送り手は送り手の目線のまま提供したり出力すると、受け手に理解不能とされてしまいます。
受け手側、ユーザー側の視点に加工しなければ意味を成さないのです。さらに受け手が確実にメリットを感じる要素を入れられればなお効果が上がります。

 

穂乃果たち学生対象で例えるならライブに来てくれた生徒に特典として試験問題の対策と傾向をまとめた資料を作成し当日会場で配布します。
こうすれば生徒が講堂に行く理由が作れます。

 

スクールアイドルなんだから提供すべきはパフォーマンスだと思われるかもしれませんが、この時点ではまだ誰も穂乃果たちのパフォーマンスを、穂乃果たちも含めて見た事がありません。

 

こうした場合、何か別の要因で生徒を講堂に誘導するか、元から生徒の集まっている所でライブを開くかしかありません。
あくまで受け手がどうすれば送り手の望む行動を起こしてくれるかに尽きるのです。つまり考えるべき優先順位はお客さんが一番、送り手が二番以降となります。
そうしないと、特に実績や前例のない事においては成立しません。

 

人を動かすにはまず自分から動く、ではなく初めに自分から相手に”与える事”をしてやっと相手は動いてくれるのです。

 

この方程式がわかっていないと何事もうまくはいかないのですが、実際のところリアルでも分かっていない人がたくさんいます。いきなり人の家に訪れて飛び込み営業することは、相手に何も与えていないにも関わらず自分の主張を通そうとするから断られるのです。

 

自分の都合だけでは絶対相手は動こうとはしてくれません。動く理由もありません。残念ながら穂乃果たちの行動はこれに該当してしまいます。

 

しかし初めからなんでも分かってやれはしません。結果的に失敗と思えても次のライブには修正すればいいだけのことです。

 

このように何が正しくて何が間違っているなんてやってみなければわからない事の方が多いのです。
穂乃果みたいに志を実行する事の方が貴重な思考で、そこから生まれた失敗は致命的でない限り乗り越えるべき「正しい失敗」なのです。

 

この正しい失敗から得るものは行動しないと獲得できません。ノウハウを学んだだけではその経験値は自分のモノにはならないのです。

 

ポスターで相手に知ってもらうにしても、ライブを見に来てほしい場合でも、全て相手の立場に立った戦略でなければ成立しません。

 

それでも分からなければ止める、のではなく実行あるのみなのです。

 

実行の暁、そこには勝てるヒントがちゃんと用意されているのです。

管理者著書

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