ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

正しい「失敗」

 

失敗に正しいもクソもあるか、とツッコまれそうですが はい、あります。

 

何かを興すとき、やることなすこと全部成功するなんて有り得ません。
そして失敗して初めて見えてくるものがお金でない自分の財産となります。

 

それでも致命的な失敗はできません。致命的な失敗は間違った失敗と言えるでしょう。

 

ですが、継続に支障のない程度範囲での正しい失敗は繰り返ししていかなければ成長しません。

 

そんな万全な状態でステージに並んだ3人μ’sに現実の厳しさが容赦なく浴びせられます。
穂乃果たちは集客に完全に失敗しました。

 

なんで失敗したか、そこから何が得られたのか検証してみましょう。
一つはお客さんに求めるハードルが高かったのでは、と思います。
 「講堂で行うライブを見に来てください」とはライブのコンテンツ以前に「講堂に足を運んでください」ということになります。
穂乃果たちにしてみれば講堂という場所は「みんなが集まる場所」として当然だったのでしょう。
ここに落とし穴がありました。
信頼も実績もないμ’sは後ろ盾もありません。学校側からの公式なアナウンスでもない限りデフォルトで人が集まる場所にはならなかったのです。
観客に対して最初からわざわざ高い敷居を設定してしまいまいました。
それに彼女たちは気付けませんでした。

 

もしパフォーマンスを生徒たちに披露するだけが目的ならば校庭とか校門前で青空ライブを開いた方が、下校する生徒などに直接アピールするチャンスは多かったのではと思われます。

 

リアルでも路上ライブを開く意味と共通します。
通りすがりの人に強制的に見せることで認識だけはしてもらえたはずです。

 

少なくとも観客0という最悪の条件下にはならなかったでしょう。相手(お客さん=生徒)の属性や特徴を無視した場合どうなるか、自分たちの立ち位置がどの辺にあるのかが分かっていなかった事が見て取れます。

 

もう一つは「お客さん」に「何も与えていない」事実があります。

 

無名である以上、無名であるがためにお客さんは講堂に行く理由がありません。
この場合、μ’sのライブに行く理由をこちらから与えてあげなくては人は動きません。

 

これってちょっと考えてみたのですが結構難しいのです。
穂乃果たちはライブの告知ポスターとチラシ配りしかしていません。あくまで自分たちの「都合」しか事前にアピールしていませんでした。
ではどんなアプローチがあれば講堂に人を集めることが出来たのでしょう。

 

μ’sの発起理由から辿れば廃止反対の集いみたいになりそうですね。同じ意見の生徒たちを対象に決起集会が開けます。
ですがライブと廃校阻止の決起集会とは集まる理由の方向性が違います。
廃校阻止の意志とスクールアイドルの行動をどこかで整合させる必要があります。μ’sの場合、現時点ではこの2要素を並行して訴えなくてならない複雑なものなのです。
これを実現させるためにはプロデュースが必須となりますが当たり前ながらそこまで熟成できていません。

 

しかもテーマがどっちつかずになりμ’sは何を訴えたいのか観客に伝わりにくくなってしまいます。
そして廃校阻止にしても、スクールアイドルとしてのパフォーマンスにしても、どちらも講堂にお客さんを集めることに注力されていません。
ただ穂乃果たちが勝手にライブを開いただけとなってしまいました。

 

リアルですと認知度の低いアーティストさんは路上ライブで人を集めます。
これは、もちろん通りすがりの人たちに自分たちを知ってもらう為の行動ですが、そこで披露する意味は単純に一つだけです。

 

「知らない人に知ってもらうため」これだけです。

 

もうひとつはコンテンツを先出ししてお客さんに利益を与えている、ということになります。
音楽の好き嫌い上手い下手は別としてパフォーマンスを無料で提供している事実が結果的に人を動かします。

 

聞いて気に入ってくれた人はそのままファンになって応援してもらえます。

 

このように相手に対して先に利益を与えないと知ってももらえないし動いてもくれないのです。

 

穂乃果たちは、それは悲しみます。
検証してみれば単にやり方が適切でなかっただけですが、そんな冷静な反省はライブが終わったずっと後になるでしょうし、誰も集まらない、結果が出なかった事を本番で目の当たりにすれば自分たちの努力が全否定された気分になります。

 

しかし物語上の演出としては大変優れていて、ファーストライブは表向き大失敗ですが本当に興味のある”プロフェッショナル”な生徒だけ集めるハブの役割を果たしています。
そしてこの後の展開を示唆しています。

 

たった一人、花陽しか集められなかったμ’sがどのようにして講堂を満員にするまで変化するのかの布石になるのです。

 

リアルに話を戻すと、これが正しい失敗です。
反省点が見つかれば修正して次回に生かせばいいだけのことです。
およそ、経験がないとこのような失敗を繰り返します。でも失敗しなければ成功は実現しないのです。

 

最初からうまくいくことなんて存在しないのだから。

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