不安、不満を与えると人は反応する
まきりんぱな1年生はそれぞれ自分と向き合います。アイドルという媒体に自分の本心を重ね合わせます。
真姫は自分の置かれた状況や残り時間と音楽をやっていたい本心と葛藤します。
凛はもっと女の子らしくしたい、女の子らしく振舞いたい気持ちと実際の自分の先入観に悩みます。
花陽は過去の自分がどうだったのか改めて見つめ直して行動のヒントを模索しています。
まきりんぱなは総じて不安定で不確かな状況下に置かれていると言えるでしょう。しかしこれが行動の起爆剤になります。
人は不安、不満、不安定、不確かなどのネガティブな印象を嫌います。
そして良くも悪くも反応してしまいます。
他人や自分と関わりの浅い部分では無視できるものの、こと自分がこのようなネガティブな印象を感じたとすると安定、安心を極端に求めるようになるのです。
たびたび記事の中に出てくる心理学的社会的証明の原理もこの不確かさから脱却したい、安定化したい、安心したいという人間の性質に伴うものなのです。
お年寄りがお金を貯め込むのは老後収入が途絶えたら絶対に困るとの不安があるから、それを解消するために貯蓄をします。
元々財力のある人でも必要以上に貯め込み、使えるお金があるのに使おうとしません。
世界滅亡に備えて自分だけ生き残ろうと莫大なお金と労力を使いまくる人もいます。
現実的であれなんであれ、自分の置かれた状況に不確かさを感じると人は反応します。
これは逆の考え方をすると「安心できるものには反応しない」ということになります。
この心理作用はリアルの商売でも利用できます。
多くの人は何かを売るときに商品のメリットを訴えます。まぁ当たり前ですがそうすると上記の理屈からいえば相手は反応しにくいという結論になります。
ダメなことに反応して、いいことには反応しないのですから。
商品のいいところ、自分のいいところをアピールすることによって評価してもらって買ってもらおうという戦略に矛盾が生じてしまいます。
よく言いますよね、「よくて当たり前」と。管理者はこの矛盾がこの言葉を生んだのではないかと思います。
つまり”いいところだけ”の訴求は相手の印象に残らないという事実なのです。
悲しいかな、もう評価以前の問題です。こんなアマノジャクな人間の性質を応用するならば多くの人が反応するであろう不確かさ、不安定さを与えなければなりません。
このお話の面白い所は不便、不満、不安などのネガティブ要素を解消するための商品であったりサービスなのですが、真逆の提案をしないと認識すらされないというところにあります。
例えばダイエット健康食品で「これを飲めば肥満が解消できますよ、健康でカッコよくなりますよ」と訴求するより、
「これを飲まなければ肥満が進み糖尿病になり入院の結果死に至りますよ」
としたほうが確実に相手の印象に影響を与える事ができるのです。(こういう広告を出していいということではありません、念のため)
また、商品販売に限りません。
人間の心理作用なので日常のありとあらゆる部分に通用します。
管理者はまたツンデレキャラを思い出しました。最初に「フン、あんたなんか死ねばいいのよ!」とあえて反対の感情をぶつけて相手の印象にインパクトを与えます。
そのあと「でもこうしてくれたら少しは好きになってあげてもいいわよ」と本心を出します。確実にツンデレちゃんの意見は相手に認識されます。
「いいものを提供しているのに売上上がんないな〜」とか「お客さんのために頑張っているのに成果が乏しいな」と感じている方がいるなら、このあたりの性質原理を応用することで物は同じでも見せ方を演出できるのではないでしょうか。
こちらからあえてデメリットを提示しておいて認識させて、それを解消する方法として商品のメリットを訴求する。
こういった思考によってお客さんの一枚上を行くことができます。
まきりんぱなも現状にな〜にも不満がなければ行動には至りませんし至る理由がありません。
そういった意味ではμ’sは何かを求めていた女の子たちの集団とも考えられます。