フォロー、アフターケアができているか
踏ん切りのつかない花陽を見かねて真姫が動きます。
西木野家で「応援してあげるから」と言った通り、真姫は花陽を「フォロー」します。真姫は花陽に行動させること=声を出させることで自信を後押ししています。
「やってみればなんてことない」と言葉でなく行動で花陽に教えます。
行動は問題解決の近道なのです。
さて最近は何か商品を買ってもほとんど販売後のアプローチって無くなりましたよね。
家電製品を買っても後日チラシが来るくらい、整骨院で治療を受けても様子伺いなんて一回あるかないか。
およそ売りっぱなしが主流となってしまった印象があります。
管理者の子供のころはテレビは地元の電気屋さん、自転車は自転車屋さん、食品だって八百屋さん、お肉屋さんというような地域密着型の専門商店で買っていました。
大規模商業施設の普及と統合により地元商店は淘汰され、そのぶん安く、選択肢も増えて今日まで進化してきたのでしょう。
でも無くなってほしくないサービスもありました。
それが販売後のフォローだったりアフターサービスだったりします。
商品を販売した後、直接販売に結びつかなくても、ちゃんとあちらからコミュニケーションをとってきたものです。
今はなにかあるのでしょうか、そういうフォローみたいなアクションは。
もちろん家電製品の初期不良なんかは対応してくれます。でもあくまでクレームみたいな連絡をして初めて対応に動いてくれます。買った後、なにもなければそのままで終わりです。それこそチラシの配布対象くらいしかなっていません。これでいいのでしょうか。
顧客を大事に思うなら売りっぱなしはNGです。
もちろん昔と違ってユーザーは後々まで干渉してほしくないとも考えられますが、やはりお客さんを「感謝の気持ちを持って大事」にしたかったら売り手から積極的にコミュニケーションをとるべきです。
なぜ大事にしなければならないのか、それは集客する場合において新規客よりリピート客のほうが圧倒的に楽で効率的に集められるからです。
新規客は市場が大きい分自分の店に来る可能性は極めて低いのです。当たり前です。競合ひしめく似たようなお店群の中から選ばれるのですから。
お客さんは価値が高いと思うお店にわざわざ足を運びます。
その点リピート客は足を運んだ実績があります。当然お店の選択においても他店よりも一歩リードした形でお客さんの印象に残っています。お店は一度でも来て買ってくれたお客さんに対して、まず来てくれた事実を認めるべきです。
かなり貴重なことなのです。
本来普通にしていたら来てはくれません。
たまたまでも何でもいいので足を運んでくれた事実を認めないと販売に結びつくはずがありません。
そして商品が売れて個人情報の提供を受けることが出来ればその貴重な情報を駆使しない手はありません。
そのお客さんはこの時点でありがたい見込み客となります。
今は主流になっているポイント制度は、販促の側面もありますがあれは本来個人情報を取得するためのツールでしかありません。
どこのお店も見込み客を掴んでおきたいから経費を掛けてでも個人情報を欲しがるのです。個人情報さえあればお店とお客さんとの相互コミュニケーションを取ることが可能になります。
買ってくれそうなお客さんにダイレクトにアプローチをすることができます。
やみくもにばら撒く新聞チラシとは次元の違う営業方法になります。
そしてなにもポイントを付与する仕組みなんてわざわざ作る必要も実はありません。手に入れた個人情報を基にきめ細かいアプローチをコンスタントに繰り返していけばお客さんはそのお店を忘れずまた来てくれます。
手間は掛りますがお金もそんなに掛けずともできます。要はお客さんが忘れなければいいことなのです。
お客さんが来なくなる一番の原因はお店の存在を忘れてしまうことなのです。
リピートのお客さんとは、自分のお店を忘れさせないようにアプローチさえしていれば(そのお客さんに対してよほどドジを踏まない限り)新規客より数十倍あてになる存在なのです。
新規客から見込み客となり顧客となり上顧客となり一生客となればこっちの勝ちです。
一生客を大量に確保さえできればお店の看板に ”一見さんお断り” と書いて永代売り上げには困らなくなるでしょう。顧客だけで商売ができればそれが最強のお店の形なのです。
ぜひ見込みのあるお客さんには気を使ってください。
昔はお店の前を通るだけで声をかけてもらいました。「元気〜?」とか「いってらっしゃい」とか「これから学校?」とか。
昔の商店主の方はこの仕組みをよく理解してお金をかけず集客を行っていました。先人の知恵はいまでも応用できる有効期限のないスキルなのです。
真姫の花陽に対するフォロー繋がりでお話しましたが声をかけるだけでも人は覚えていてくれるものです。
さすがに何もしなければ忘れられて然るべきですが、損得抜きの気遣いは商売にも友達にも欠かせない意識なのではないでしょうか。