ラブライブ!ビジネス論 高坂穂乃果はCEO

このサイトの記事は 『c2013 プロジェクトラブライブ!』 よりビジネス論比較研究の為に引用させていただきました。

生徒会が出来たこと

 

廃校の具体的なスキームを知った生徒会とμ’sはそれぞれ阻止に向けて動きを加速させます。

 

μ’sはライブを開くことに主眼を置き、生徒会は・・・相変わらずノーアイディアのままです。

 

ようやく理事長にこの問題の生徒会介入を認めてもらったのですが具体的に何をやるのか、肝心の部分はまだ決まっていません。

 

廃校決定が目前のこの状況では遅すぎますね。
絵里の立場になって生徒会が出来ることをちょっと考えてみたいと思います。これはリアルベースでも発想法は同じで応用できます。

 

ここでの生徒会の目的は「学院の存続、廃校阻止」です。
穂乃果たちμ’sと大枠の目的は同じです。

 

廃校を阻止するためには入学希望者を集めなければなりません。
対象者(ターゲットとなるお客さん)となる人は中学3年生とその直近の人たちです。
直近の人たちには中学2年生、中学1年生、対象者の兄弟、親御さんなど高校入試に際して選択するにあたり意思決定権のある人、あるいは影響を及ぼす人が含まれます。

 

今のご時世、子供であっても個人の意思を尊重するのが一般的なのでしょうから中学3年生がメインターゲットとなります。

 

そしてただ待っていても生徒は来てはもらえません。
この姿勢が音ノ木坂学院をこの状態まで追い込みました。
なにかこちらから「アピール」しなければなりません。

 

音ノ木坂学院に足りないのは、リアルでいうところの「広告」と「営業」です。

 

でも「広告」はともかく「営業」に関しては入試前に直接中学3年生と契約を結べるわけではないので、この辺は待ちの姿勢でしょう。
営業が出来たとしても、学院サイドが中学校に対して単願推薦枠の提示などになるので生徒会は関与できません。

 

アピールは「広告」になりますが何をアピールすればいいのかが絵里にはずっと解りません。
解ってればとっくに理事長に対して具体的な提案をしていたでしょう。

 

アピールには”ネタ”が必要です。音ノ木坂学院の存在は普遍的として学院の魅力をネタにして出力しなければなりません。

 

ここでかつて穂乃果たちがブチ当たった壁「学院のいいところ」に思い当たりません。

 

穂乃果は他(A-RISE)からヒントを得て「自分たち自身が付加価値になる」選択をしました。
学院に要素を追加しそれをアピールの材料としました。

 

生徒会のロジックでμ’sと決定的に違うのは、生徒会は「既存の要素」に固執した点です。
結果あまりパっとしません。”歴史”や”アルパカ”・・・
でもほんとうに無いのかというとそうではありません。「気付いていない」だけです。

 

そもそも絵里たち音ノ木坂学院の生徒は何が良くて音ノ木坂学院に入ろうと思ったのでしょうか。
絵里、穂乃果、ことり、真姫は家の家系が代々音ノ木坂学院であった点、居住地から距離が近い点くらいしかストーリー上見当たらないのですが、例え親が音ノ木坂学院の卒業生でも実際自分が選んだ動機はそれだけではないはずです。

 

この具体的に音ノ木坂学院を選んだ理由を生徒会の力を使って全校生徒に聞いてみます。
そこに必ずヒントがあるはずなのです。

 

なんのことない、答えは「自分の中」にあるのです。

 

恐らく生徒全員が「伝統がある」「アルパカが可愛い」とは言わないはずです。
ここからアピールポイントをあぶりだします。次にアピールポイントに付加価値を付けます。

 

この場合の付加価値とは受け手のメリットになります。

 

特典と訳してもいいでしょう。何も物でなくとも大丈夫です。お金は基本かけられません。情報ならお金もかからず複製も簡単です。
メインターゲット「中学3年生」は今、何の情報をあげたら「喜ぶ」かを考えます。

 

例えば「入試情報」なんていかがでしょう。
 「入試要項」ではなく音ノ木坂学院の入試に限らず高校入試に際して絵里たちがやってきた具体的な勉強法を全公開します。
勉強の内容、時間の取り方、お金のかけ方、ペース、習熟度の確認法など。いわゆる入試ノウハウですね。

 

これは入試未経験の中学3年生にとっては有益な情報となるのではないでしょうか。

 

このようにアピールポイントに付加価値を付けたらそれをどこに蒔けば芽が出やすいか考えます。

 

この時に役立つのが「ハブ」の考え方です。つまり中学3年生は「どこに集まるか」と「誰がまとめているか」を考えます。
もちろん一番は中学校そのものでしょう。
更に学習塾でもいいのではないでしょうか。でもまさか中学校の校門の前でチラシ配るわけにもいかないのでなんとか中に入る方法を考えます。

 

この時ただ「アピールさせてください」といっても門前払いされるがオチです。

 

なぜ”門前払い”されるか、を考えると相手にとってメリットがない為にこうなります。必然的な理由によるのです。
ならば相手にメリットを与えてあげればどうでしょう、喜んで話を聞いてもらえます。

 

少なくとも門前払いみたいにジャケには扱われないでしょう。
中学校は公共性が強いのでもっと考えたアプローチが必要かもしれませんが学習塾なんかは営利団体です。
学習塾の喜ぶ事を考えます。
例えば「生徒会の名前で音ノ木坂学院内に学習塾広告を貼りますよ、その代わりに塾生にアピールさせて下さい。入試情報も提供します」としたら食いついてくると思います。

 

そして中学3年生にアピール出来れば第一段はクリアです。
更に「どうすれば効率が上がるか」考えます。このようなアプローチも1回だけでは効果が上がりません。
中学3年生は音ノ木坂学院のことなんかすぐに忘れてしまいます。短い期間でアプローチを何度か繰り返します。ここまでしてようやく「広告」効果が期待できます。

 

このようにアピールするといっても全体を見通してプロデュースしていかなくてはなりません。
でも考えれば必ず結論が出せるのです。
この場合のキーワードは「相手の立場になって考える」の一言です。

 

 ”生徒を集めたい”と自分の希望があるのなら、それを通す為に「自分の事」ではなく「相手の事」に主眼をおかねば成就なんて絶対しません。

 

でもそのことが解っていれば、ザックリ考えてもこれだけ生徒会の出来ることが発想できます。
もちろんやっていて障害は必ず発生します。そこでなんとか解決法を考えて目的を見失うことなく前進させなければなりません。この点はμ’sと一緒です。

 

入学対象者にアピールする方法としてμ’sはライブを行いますが、もし生徒会が早い段階で上記のような戦略を考えられて実行できたとするならば、オープンキャンパス来場者にしかアピールできないμ’sよりも広くターゲットに対して強力にアピールできたことでしょう。

 

ですがやはり生徒会は手遅れな感があります。

 

絵里がμ’sに入りμ’sのポテンシャルを充実させたほうが賢明といえるでしょう。

 

なんてったって穂乃果たちのほうがもっと早くから取り組んでいたのですから。

 

管理者著書

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