うつ病から見えてくるもの
ラブライブ!とうつ病なんて全く関係がないように思います。
μ’sのメンバーその他でもストーリー上あまり病気になる描写はされていません。
ここでは絵里の苦悩を通じて自分のことはとても解りづらい点、更に苦悩し続けるとどうなるかを考えてみたいと思います。
絵里は自分の部屋に入学対象者である亜里沙とその同級生を招き音ノ木坂学院にまつわるプレゼンをします。
つまらない内容に亜里沙は姉である絵里に問います。
「これがお姉ちゃんのやりたいこと?」
絵里は自分でも解っていないこと、解っていても認めないことを妹の亜里沙にえぐられます。
生徒会長という義務感で動いている自分を改めて自覚させられました。
でも何をやったらいいのか、わかりません。
この#8では絵里の複雑に絡んだ思いが描かれています。
でも見てとれるのは絵里は絵里自身の中だけでの葛藤です。
だれも絵里に対して強制的に学院廃校を阻止せよとは言っていません。
絵里は苦悩のスパイラルにはまっています。
そしてそういう状況にしたのは何を隠そう絵里自身なのです。
リアル社会でも自我による束縛で苦しむことがあります。
特に真面目とか几帳面とか完璧主義とか堅実さとか、そういう価値観に重きを置いている人に多いと言われています。
これが厄介で、他人からのプレッシャーとか原因が他にある場合はそれを排除、または逃げることで回避できますが自分の中に自分を苦しめる要因を抱えると逃げるわけにもいきません。
そしてこれが続いたり重なったりすると人は病気になります。
管理者はうつ病になった経験があります。
仕事に取り組めなくなり1年近く休職しました。うつや躁など精神疾患にかかる人は何らかの外的内的要因により身体も気持ちも動かなくなります。
気力も湧かず何をやるにしてもいちいちブレーキがかかります。
管理者はまだ軽い方で休養が3年5年と長くなる人も珍しくありません。
そして現代の日本はこの状態にとてもなりやすい環境なのです。
誰でも明日発症する可能性があります。ある日突然会社に行こうとしたら体が動かないってことがあります。「自分は関係ない」と思っている人はハッキリ言ってめでたい人です。
知らないからそう言えるだけです。
うつで休職しているとさんざん自分を見つめさせられます。他にやれることもないので、とにかく頭の中で自分のことばっかりグルグル考えます。
そしてもどかしさと共に情けなさや絶望感などに苛まれます。
現代の医療ではこの手の疾患は時間をかけることぐらいしか有効な治療方法はありません。
骨折みたいに目に見えて回復が確認できるわけでもありません。時間がかかるので下手な重症よりタチが悪い病気と言えます。
もちろん薬は処方されます。
管理者に処方されたのは「ルボックス」という薬でどんな効果があるかというと、脳の中の神経細胞から受容体というところに命令が伝達されるのですが正常な人でも全部伝達されずに何割かは元の神経細胞に回収されるのだそうです。
薬はこの回収因子の働きを抑えてなるべく多くの命令を伝えようと促すものなんだそうです。
管理者は薬剤師ではないのでうまく説明できませんが、見て頂きたいのは「これってホントに病気の原因?」というところです。
確かに脳みそのなかではこういう作用がなされて体調不良になるのでしょうけど、そもそもそうなったのは何がそうさせたのかということです。
結論として薬は解決にならないのです。
原因は自分の中にあります。
管理者の場合、少し絵里と似ていますが「やりたいこととはなんぞや」という思いを数十年放ったらかしにしてきました。
「とりあえず食べていける仕事」に就いて”そのうちなんとかなる”となにも努力をしてきませんでした。
そして病気になったわけです。
「とりあえず食べていける仕事」はそれで納得できれば良かったのですが出来ませんでした。
納得できない主観に理由なんてありません。
解決策は「仕事を変える」でした。この記事を執筆している今現在も影響が残っていますがお陰様で以前ほど自分を縛ることも無くなりました。
絵里はこのあとも悩み続けますが穂乃果によって「救われ」ます。
救われないと管理者みたいな目に合います。これはリアルです。人ごとではありません。
ですが答えは自分の中にあります。
真摯に耳を傾けられれば、そしてその声に素直に従い行動を起こせば病気になんてならないと思います。
管理者は絵里の気持ちがよくわかるのです。