シナリオ、脚本の【セリフ】書き方|シナリオ教室の劣等生

シナリオ脚本のセリフ書き方基礎編

せりふの書き方そのものは至って単純である。

 

柱よりもシンプルなのだ。

 

ただ、しゃべる言葉をそのまま書くだけ。

 

しかしその特徴とは人のインターフェイスだけにたくさんあるのだ。

 

シナリオ脚本のセリフ【基礎知識編】

セリフの記述ルール

 

  • ペラの冒頭一マス目に人物の名前を書く
  • 名前の直下にカギ括弧 「 を書く
  • 人物のしゃべる言葉そのまま書き入れる
  • 閉じカギ括弧 」 で閉じる
  • 閉じカギ括弧で閉じたら必ず改行する
  • セリフが長くなって改行するときは一文字インデントして頭揃えする 

 

セリフの記述に難しさはありません。

 

ペラの冒頭一文字目から名前を書いて、直下にカギ括弧を書いて、セリフそのものを書いて、閉じカギ括弧で閉じます。

 

セリフは閉じカギ括弧で閉じたら必ず改行します。

 

名前は男性なら名字、姓で書き、女性子どもならば姓名の名、名前の方で書きます。

 

セリフが長くなって改行が必要な場合は一文字インデントして頭揃えをします。

 

セリフの場合、書き方というよりも、使い方だったり、特性といったものの方が要素としておおきいんですよね。

 

使い方に関してはさすが人間のインターフェイスだけあってボリュームがあります。

 

NとM、〜の声

始めに声だけのセリフについて解説します。

 

ナレーションやモノローグといった声が載るシーン、実際にしゃべっている人物が写っていなくて声だけ載せるシーンは、

 

名前に人物名を書いてから 〜の声 として、カギ括弧の中にしゃべる文言そのものをそのまま書き入れます。

 

『(人物名)の声』 という表記の他には 『(人物名(N)』 という書き方も出来ます。

 

Nはナレーション、Mと書けばモノローグとして伝わります。

 

セリフとナレーションとモノローグは、同じ人のしゃべる言葉ですが、これって使われ方が違うので注意が必要です。

 

セリフというのは主に相手がいる場合ですね。

 

相手に向かってしゃべることが基本となります。

 

二人称ですね。

 

相手がいなくても相手がいると想定するならセリフとなります。

 

ナレーションとは、しゃべる相手が私たち側、視聴者側の場合に使われます。

 

他人称です。1対多の話し方ですね。

 

映像の場合は見ている人に向けられた言葉です。

 

ですので私たち視聴者に対して「説明」が出来ちゃうんです。

 

モノローグは独白や独り言です。

 

一人称です。

 

しゃべる相手がしゃべっている自分自身に向けられています。

 

ですから誰かと会話しているのに(M)は不自然となります。

 

ただ、モノローグって面白くて、会話の中にMを入れると、それは相手に対して聞こえないように文句や苦言を呈している、といった描写が出来たりします。

 

気持ちの声といいましょうか、心の声が音声として乗せることが出来ます。

 

当然、セリフとして音声で見ている人には聞こえるのですが、劇中の相手には聞こえない設定になっていたりします。

 

それが本音として観客に伝えることができるのです。

 

とても有機的な使い方が出来るのですね

 

有効な利用が出来る反面、やり過ぎには注意が必要です。

 

NやMは使いすぎると違和感が出てしまいます。

 

よほどNやMで物語を引っ張っていく設計でもしない限り使い方には配慮が求められます。

 

それは人のリアリティを削ぐ事にも繋がりますから、気を付けて使いこなさなければいけません。

 

電話の会話の場合、本来ならば会話の節々にシーンの切り替えが必要になりますが、これも設計で簡素化ができます。

 

電話は一方の柱を固定して、電話の相手はセリフだけ、とすることでペラ上の簡略化が出来ます。

 

この場合、声だけであってもセリフ扱いとして書けます。

 

柱を変えない中で電話の音声だけであっても(電話の声)とか(〜〜の声)とは書きません。

 

電話での会話は電話をしている描写としてト書きで事前に示せているはずですので、

 

例え声だけでも、それはナレーションでもなくモノローグでもないですよね。

 

電話の相手がいるのでセリフとして書きます。

 

『〜〜の声』 とする場合は、例えば一階にいる人物Aが二階にいる人物Bに話しかけるような場合にそう書けます。

 

要するにそのシーンにしゃべっている人物本人が写っていなくて、声だけどこからか聞こえるような場合に『〜〜の声』 と書きます。

 

セリフの名前

セリフに書く人物名は、シナリオに付ける人物表に書かれている名前を書きます。

 

原則として男性なら名字で、女性子どもならば姓名の名の方で書きます。ただし例外もあります。

 

劇中でニックネームしか出てこない場合でも人物表の名前で書きます。

 

シーンで登場人物以外のキャストの声の場合、つまりはナレーターにしゃべらせる時には人物表にナレーター名を書きます。

 

ナレーターを使う場合、一人だけなら「ナレーター」で構いませんが複数配置する場合は、

 

ナレーターAとか、ナレーター老婆などの略称を書いておきます。

 

パーソナルデータにその声が何歳か、性別や、特徴といった基本情報を書いておきます。

 

シーンの中でどういった感じでナレーションを担当するのか、イメージがあるならばト書きに書きます。

 

例えば母親のようにとか、鬼のようにとか、激しい口調でとか、そういったことがあるならト書きを設けて書き入れます。

 

セリフの書き言葉に注意

次にセリフは書くものではないというお話をします。

 

セリフはしゃべることを書き入れるのであって書く言葉ではない、とは聞けば当たり前なことなんですが、

 

いざ、セリフを記述すると書いてしまう人がいます。

 

つまり、しゃべることを書かないで文章で書いてしまうのです。

 

こういったことは書き入れたセリフを声に出してみればすぐに分かることなのですが、私もたまに引っかかります。

 

「・・・」も文章表現です。

 

「・・・」はシナリオ上、書いてはいけない、というルールはありませんし、私もたまに書いてしまうのですが、

 

映像媒体なら「・・・」とセリフ指定するのではなくやはり描写として「・・・」を具体的に見せるべきです。

 

「・・・」は書き言葉です

 

文章表現は基本的にシナリオには書けません。

 

・・・の意味する動作とは例えば 『間』 を意味することがあります。

 

それも、・・・の前後にしゃべる言葉でもあればそのようにも解釈できますが、単に・・・だけとなるとそれはやはりト書きに描写するべきでしょう。

 

『間』 が必要な場合、ト書きに 『しばらくして』 とかそのままズバリ 『間をおいて』 でも通じますが、セリフとセリフの間に何らかの描写を挟むなどの工夫が出来るハズです。

 

いずれにしろ・・・は曖昧でどういったシーンなのかわかりにくいと思われますので禁則ではありませんが気を付けて使ってください。

 

 

ト書きとセリフはリンクする

これも当たり前な話ですが、ト書きとセリフは属性そのものは同じなんです。

 

どちらも同じ人から発せられると言う意味では同じであり、単にしゃべる事だけ特化して分けてある、だけなのです。

 

だからト書きだけでいいとか、セリフだけいいものであればいい、ということではありません。

 

どちらも一心同体で動かさなければなりません。

 

つまりト書きに準じないようなセリフは書けないと言うことです。

 

セリフにワンアクション

実はこういう書き方も出来ます。

 

セリフを書き入れる時に一言程度の動作を指定することが出来ます。

 

一言だけ、ワンアクションだけ書けるのです。

 

人物名を書いてカギ括弧を書いてから、括弧書き ( ) で動作を指定します。

 

ただし極端的な動作指定だけです、ワンアクションだけしか書けません。

 

長い動作だったらト書きに書きますし、本来セリフと合わさる動作だってト書きの終端に指定するべきです。

 

ですからセリフに動作を付け加える場合って、セリフと被っていてかつ、本当に仕草程度のような簡単な動作しか書けません。

 

この書き方、けっこう便利なので私はよく使います。

 

長セリフ、説明セリフの何が悪い

長〜いセリフは、シナリオの書き方として一般的にNGとされています。

 

一般的に、とは出回っている映像作品では長いセリフを役者に言わせている場合も実際に多いんですね。

 

だから絶対ダメということではありません。

 

長セリフのリスク

ただセリフを長くすると、説明じみてきますし、状況説明やら心象表現やらに描写がなくても使えてしまいますしクサくもなります。

 

シナリオとして安易になるんですね。

 

長セリフと同じ扱いで説明セリフというものも敬遠されます。

 

何でかというと、まずそもそも人の発する声とは一度に長文でしゃべっていません。

 

戯曲ではないのでリアリティがありません。

 

人のしゃべることとはもっと直感的で短い文言のはずです。

 

私たちの現実を見れば一目瞭然です。

 

講演会の発表みたいな、1対多のような大勢の人物に向かって演説するようなシチュでもない限り長いセリフは言わないのです。

 

またシナリオとは描写で意味を伝えるという役割があります。

 

セリフも描写の一部であるにせよ、セリフだけに頼るのはバランスに欠けます。

 

映像の特性上しゃべっている人物だけの画を長い時間見せられないという事情もあります。

 

セリフだけでシーンを引っ張れないんです。

 

『画が持たない』 という言葉があります。

 

実際に画角も変えずにしゃべっている人物を映しっぱなしでは観客が飽きてしまいます。

 

飽きた観客は何をするのかと言えば、テレビならチャンネルを変えてしまいます。

 

飽きさせないようにするには動きのある描写で見せることをしなければなりません。

 

長セリフはナレーションの使いすぎと同じで、画が持たなくなります。

 

そういったことから長セリフや説明セリフは避けろとスクールでは教わります。

 

でも私個人的には、それもシナリオの設計次第でどうにでもなると思います。

 

長セリフのリスクを理解して回避ながら演出で間延びしないシーンは作れますし、実際にそういった工夫を凝らされた作品もたくさん目にします。

 

長くてよろしくないのであれば途中で柱変えたりト書きで動作入れたりして切っちゃえばいいだけのことです。

 

私的にダメという方がダメな気がいたします。

 

要は使いようだと思います。

 

シナリオ脚本のセリフは嘘つき編


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