シナリオ、脚本の構成法U

構成とはマクロとミクロに分かれる。

 

マクロとは語り口やプロットとして最初に全体像をイメージすること。

 

ミクロとはシーンやエピソードの配置を考えることだ。

 

シナリオ執筆において、絶えず構成は検討し続けなければならない。

 

構成のプライオリティは変化するさま

シナリオを通して何をみせるのかというと一言で言えば変化なんです。

 

時間が経過しながら流れていく映像に何を写すのかといえばそれは変化するさまを見せています。

 

登場人物が変化します、やることや考え方が変化します、シナリオ的にはこれが一番、人物の感情が変化します。

 

そういった移り変わりをシナリオとして描いていきます。

 

変化とは変化する前と変化した後があります。

 

変化する前をアンチテーゼといい、変化した後をテーゼと言います。

 

いわゆるビフォアアフターです。

 

映像としてアンチテーゼをみせた後にテーゼをみせることで観客に変化を感じさせます。

 

もともと映像とは変化する物事を映し出す媒体です、いわゆる動画ですからね。

 

何も変化しないとなれば、それは画像です、静止画です。

 

映像とはその変化するさま、動いている様子ですね、動きをみせるためにあります。

 

変化を生み出す方法

物理的な動き、目に見えるような動きもそうですが、感情や心情と言った目に見えないものでも描写として描くことで映像に載せていきます。

 

私たちはこういった変化を見せなければならないのですが、変化にしても一定に変化するものだけではありません。

 

こと、人の変化というものは一定じゃありません、人それぞれ変化の仕方も変化するペースもみんな違います。

 

私たちはそういった変化の違いをシナリオとして書いて行きます。

 

その変化の違いってどうやって出すのか、どう作るかというと、

 

変化の過程において、もともと均一で安定したものであってもあえて邪魔をします。

 

邪魔をするのがシナリオライターの役割です。

 

その邪魔とは邪魔することにより、葛藤だったり、矛盾だったり、問題であったりを生み出します、順調な推移を良しとしないんです。

 

主人公が行動しようとしたときにあえて邪魔をします。

 

邪魔をすることで主人公にあらゆる変化が生まれてきます。

 

なんか例えないかなと考えてみました。

 

例えばこんな感じです。

 

今日私はスーパーへ買い物に出かけました。

 

これってよくある平凡な日常ですよね、スーパーに行って買い物をして帰るだけです。

 

これでは面白くもなんともないじゃないですが、なにも変化する要素がありません。

 

そこでシナリオライターは面白くするためにあえて邪魔をします。

 

邪魔をする要素を加えるんです。

 

極簡単にしか言いませんが・・・

 

スーパーに買い物に出かけました。

 

途中でお財布を落としました。

 

そのお財布をある女の子が拾いました。

 

その女の子とスーパーで出会いました。

 

それがきっかけとなり彼氏彼女の関係になりました。

 

ちょー適当なプロットですが、言いたいことはこういうことです。

 

順調に推移するならば、誰とも会わずに買い物が終わります。

 

でも面白くするためにあえてアクシデント、問題ですよね、を与えます。

 

与えた結果、主人公に何らかの変化が起きます。

 

その変化の結果、女の子と付き合うといった本来の目的と違う結果になりました。

 

ホント、例題の発想が貧弱ではありますが・・・

 

変化を促すような事象を想像して与えていきます。

 

お話の起伏を置く

アクシデントが生じてから女の子と付き合えるまでがひとつの起伏となります。

 

山ですね。

 

アンチテーゼがあって変化という山があって、その山を乗り越えた先にテーゼという結果があります。

 

この起伏の中で問題に対する葛藤や矛盾やら、さらに障害を上乗せしていって、そのときの感情や心情をシナリオに書いていきます。

 

この一連の筋書きを、そのまんまですね、シナリオとして書いていくのです。

 

構成でいえば、この山なんです。

 

物語総じてオープニングからエンディングまで一つの山にはなっているのですが、

 

実際にはその物語の中に小さな山をいくつも作っていきます。

 

最初は小さな山を乗り越えることから始まっていって、何個かの山を乗り越えていって、クライマックスという部分で一番大きな山を乗り越えます。

 

その山を乗り越えた先にはファーストシーンでの主人公が何らか変化してテーゼという結果として違った形を見せます。

 

この山がエピソードと言われるものです。

 

エピソードを何個か作っておいて、物語の中に仕込んでおきます。

 

そのエピソードを通じて全体の山を初めは小さい起伏から乗り越えさせて、いって、徐々にグ〜と盛り上げていって、一番大きなの山のところがクライマックスになります。

 

一番大きな山、すなわちクライマックス、名前そのままマックスなんですね。

 

一番大きな山を乗り越えたら、後はス〜っと元の静かな変化のないところまで落ち着かせて終わりになります。

 

山、平坦、山、平坦を繰り返す内に、全体の山を上げていってクライマックスでテーマに直結するような最高潮な山を乗り越えて、収束する。

 

この一連の流れを構成で検討するのです。

 

構成としてはそういった山を設定して、どこにおけばいいのか、どの位置が最適なのか、検討します。

 

検討しながら見せ方や語り口を考えること、そのパーツたるシーンやエピソードを画面に映る順番決めが構成の目的になります。

 

これがシナリオライターの仕事になります。

 

シナリオ上の構成要素

シナリオの構成の要素としてはいくつかありますので紹介していきます。

 

はじめにテーマがあります。

 

変化を描いて見せて何を観客に伝えたいのかを決めます。

 

物語はこのテーマに沿って変遷し最終的にテーマで設定した意味を映像として観客に伝えます。

 

その変遷とはまず、

 

オープニングの導入部があって、変化の起伏、山がいくつかあります。

 

その山は、最初は小さい、低い山の集まりです。

 

これがエピソードということになりますが、お話が進むにつれだんだん乗り越えるべき山が大きく高くなっていきます。

 

そしてテーマに直結するような決定的な大きな山がクライマックスとなります。

 

クライマックスを迎えたらあとは収束していきます、無の状態に落ち着かせます。

 

これが基本的な物語の変遷です。

 

お断りしておきますが、あくまで私が考える基本にすぎません。

 

実際の商業映像ではこのパターンの限りではありませんが、見せ方や語り口が違うだけでおよそこのような構造になっています。

 

実際の映像を見て、確認してみてください。

 

表現そのものはその作品でそれぞれ違いますが、山、平坦、山、平坦の連続になっているはずです。

 

この構造は尺が長かろうと短かろうとあんまり変わりません。エピソードの多い少ない、長い短いで調整できます。

 

で、やっぱり私たちはシナリオなので、この山にしても感情面、心情面、メンタル面を描写するべきであり、勝負するべきです。

 

その専門家なのですから。

 

だから、こういった人の感情を起承転結でまとめられるのか、ということに疑問を感じます。感情は四字熟語で表せるほど単純ではありません。

 

そう思われませんか?

 

布石、伏線の描写

布石とか伏線という描写法もあります。

 

アンチテーゼで何らか意味の通らない描写をします。それを答え合わせみたいにテーゼの段階で明かします。

 

映像に興味を持ち続けてもらうための工夫ですがよく推理ものでは常套手段ですね。

 

これって気を付けて頂きたいのが、その物語の中で必ず回収してください。

 

描写しただけで満足しないで、答え合わせを必ずやってください。

 

そうしないと観客はフラストレーションしか感じません。

 

箱書き

これは構成を検討する目的でやる作業のことなのですが、

 

シナリオの構成を検討する作業に箱書きというものがあります。

 

箱書きとは、物語を構成するにあたり、シナリオをある程度の段落に分けてみてその段落を『箱』、BOXですね、に見立てます。

 

その箱を物語の中のどの位置に配置するのかを検討するためのやり方の一つです。

 

物語の中に盛り込まれるシーン単位だったり、山、エピソード単位だったり、ある種のくくりをひとつの箱として、物語全体を鑑みてどのあたりに配置するのか、いわゆる構成の組み立てを考えて最適化を図るやり方の一つです。

 

代表的なやり方が箱書きというものですが、箱書きだけが構成のやり方というわけではありません。

 

構成の検討は必ずやらなければなりませんが、やり方については作家さんでみな違うようです。

 

およそ箱書きといわれる作業はこのようなものです。

 

ある種のくくり、と申しましたが段落を想像できなければ本の目次を思い出してください。

 

あれって章立てとかしてあって階層式になってますよね。

 

あんなイメージで段落を決めます。

 

およそ3階層もあれば十分だと思います。

 

大きい方から大箱、中箱、小箱という風に階層で分けてみます、本の目次で言えば一つの部の下にいくつかの章がぶら下がっていて、章の下にいくつかの節があるといったイメージです。

 

その箱をシナリオの中のどのあたりに配置するのか、入れたり抜いたり差し替えたり、必要ならば箱そのものを追加したり削除したりします。

 

こういった構成の検討を箱書きで行ってから本文を書き進めていくことになります。

 

ただこれって、先ほども申しましたが、構成の検討作業は決まったやり方はありません。

 

箱書きもどきで検討する人もいますし、私も大箱中箱などの使い分けはやっていません。

 

やりやすい形をご自身で模索してカスタマイズしてみてください。

 

プロット出し

次にプロット出しという作業もあります。

 

という作業もあります、と言ったのは実際に私はこのプロット出しという作業をやっていません。

 

プロットという概念も結構曖昧であまり使い勝手が良くないので使っていません。

 

よろしければやってみてください、という意味でレクチャーします。

 

プロットとは・・・

 

シナリオ全体を段落で分けてみてその段落についての あらすじ みたいなものです。

 

先のレクチャーで本の目次を例えましたね。

 

階層式の構造が箱書きの作りだよ、と申しました。

 

目次で言うところの部の部分のあらすじ、章の部分のあらすじ、節の部分のあらすじを考えてみてからその中身を書いてみる、ということです。

 

物語の展開の部分だけ抽出して、最初のガイドラインとするものです。

 

一発目から詳細まで書けないので一旦プロットとしてセグメントします。

 

シナリオ全体についてのあらすじではありません。

 

段落についてのあらすじです。

 

粗い筋ですが、まあ見出し程度です。

 

プロット出しを最初にしてから中身を詰めていきます。

 

これって私の場合はプロットを出す段階で本文詳細まで書いています、プロットにとどまらずもっと細部まで作業を進めます。

 

作業の段階をむやみやたらに増やしたくないからそうしています。

 

プロットライターという言葉があります。

 

多分放送作家などが行う仕事だと思われますが、すみません、あまりプロットに興味もなく勉強不足でよく知らないのです。

 

プロットだけ考案してそのあとのシナリオは他の担当者にやらせるということでしょう。

 

「シナリオライターはプロットライターになるな」 的な話を聞いたことがあります。

 

プロットを出しただけで書いた気になるな、ということだと思いますが、そんなの当たり前で、申したとおりプロットはプロットでそれ以上の価値はありません。

 

単なるあらすじの塊なのでそれが何かを表現するものでもなければ、完成しているものでもありません。

 

そんな感じでいい印象がないので私はやっていません。というかプロット出しという作業を挟んでいません。

 

ただ、プロットという言葉は普通にシナリオ用語として出てきますので役割として覚えておいてもいいのかも知れません。

 

シナリオ、脚本の構成法V


Udemyシナリオ入門レクチャー:動画で詳細解説!今なら90%Offクーポン発行中

お問い合わせ、ご質問

トップへ戻る