組み合わせの原理

 

 

 

オリジナルって、何を持ってしてオリジナルと言えるのか。

 

そもそも我々リアルな人間も何かの線引きされた基準やルールにのっとって生きている。

 

その線引きは誰かの作ったもので自分のオリジナルではないし、その仕組みが無ければ人類は発展してこれなかっただろう。

 

この世に未開拓のオリジナルなんて存在するのか。

 

シナリオにおけるオリジナルとは何か考えてみる。

 

 

パクリとパクリをくっつけるとオリジナル?

 

ぶっちゃけそんな感じです、オリジナルって。

 

映像における極根本的なネタのオリジナルとは原始の映画産業にてすべて出尽くされたとされています。

 

ですからオリジナリティを探す場合において古い名画といわれる映画をたくさん見るべきと説かれています。

 

正直、古い映画を見ても時代が違いすぎて面白く感じませんが、見るべき所はエンターテイメント性ではなく、構造、構成であります。つまりどうやって映像を人に見せているか、なのです。

 

そこで得られた構造を現代の、しかもニッチなニーズにあわせて焼き直して見せています。今の映像コンテンツは簡単に言えばそうやって出来ています。

 

で、
肝心なのはこの ”焼き直し” の部分で、何を持ってきて、何と合わせるか、が命運を分けてしまいます。

 

ひとつご忠告させて頂きたいのが 「俺は俺の世界でオリジナルを作ってやる」的な考えについて、辞めておいた方がいいのです。

 

なぜかと言いますと既に今生きている人の世代において完璧なオリジナルはもうありません。無理だという根拠は ”我々はすでに出尽くされた後に生まれた” という事実です。

 

そして出尽くされた時代の焼き直しの中で教育されてきました。子供の頃見たマンガやアニメ、実写の映画そっくり含めてすべて焼き直しの中で我々は影響を受けています。

 

その事実を無視してしまってはオリジナルの意味を理解されていないのと同じ事になるのです。つまり傲慢か勉強不足か無知かということです。

 

感性が少なからず求められるこの世界では、そんな妄想している時間が無駄になります。だから辞めといた方がいいのです。

 

求めるべきはオリジナルになり得る組み合わせ方に他なりません。

 

どんな要素を使うかが気の利きどころであり、人に驚きを与えられるのだと思います。

 

映像業界に限りません。

 

会社の仕組み、物を売る仕組み、社会の仕組みすらこのようなロジックで作られている現代なのです。

 

つまりパクリとパクリを組み合わせてオリジナルとしているのです。厳密にいえばオリジナルではありません。言い方を変えればオリジナルもどきということでしょう。

 

でも1つの要素であれば簡単に出尽くしても組み合わせるとなるとその変化形は無限大になります。

 

これほど長い映像の歴史でもいまだに感動したり面白いと感じるコンテンツが出続けるのも、この無限大のキャパシティに委ねられているからなのです。

 

ゴジラ対ガメラ・・・エイリアンVSプレデター・・・本+パソコン=ウィキペディア・・・物販+宅急便=アマゾン・・・クトゥルー神話+萌えキャラ=ニャル子さん・・・

 

いくらでもあります。というか、組み合わせないと何も作れていないのが現代で、それが応用とされています。この要素はなんでもありなのです。

 

シナリオの話に戻しますと、なんでもアリの要素の中でなんでもアリのままではいつになっても書けません。何か決めなければ作業は進みません。これが難しいのです。

 

脚本家の仕事も0から1を作るものでその点でも難しいのですが前提として「作ったものが面白い」と他人に感じさせなくてはなりません。面白いと感じる要素は何か、何と何を組み合わせれば観客は面白いと感じ納得してお金を払ってくれるのか、答えはありませんし永遠の解けない問題でもあります。

 

 

 

シナリオ、脚本で組み合わせを利用する

 

考える前に検証してみましょう。

 

何でもいいのですが分かり易いのは 脚本勉強家は誰しも何らかの影響を受けた映画なりドラマなりがあると思います。

 

自分の好きな映像を見返してみて、面白い、魅力を感じたシーンが何と何を組み合わされて出来ているか、という視点で見てみます。

 

管理者もたまにやるのですが、ついつい面白さにかまけて見入ってしまって検証にならないことも多いのですがよくよく見ると必ず組み合わせの原理が活かされています。

 

恋愛モノで相手に想いを伝えたいシーンがよくあります。
要素1として ”好き” という感情があります。でも物語として(リアルではありません、架空として)ただ「好きです」というのは面白くなりません。そこであえてもうひとつの要素 ”嫌い” を付け加えます。そうすると 「ふん!あんたなんか屑よ!ゴミ虫よ!近寄らないで!」 とした後に 「でも優しくしてくれるなら少しは付き合ってあげてもいいわよ」 となります。

 

アニメの王道ツンデレの出来あがりです。 ツンデレ描写はコメディですが本当によく考えられた要素の組み合わせで面白くなっています。好き、嫌いの感情だけでなく変化、経過の組み合わせでもあります。

 

感情は本音と建前が必ず存在します。本音が要素1。でも本音はそのまま出せませんし、出したくない感情もあります。羞恥心とかであるのですがこれが要素2です。この2つの要素を叶える方法を考えます。

 

そこでさらに喋る時系列を組み合わせます。
本当ははじめに本音を言いたい、これが要素1。なのですが断られたくありませんし、へつらいたくない。あくまで今まで同様対等でいたいか少しリードしていたい。これが要素2です。

 

結果、最初に相手を落としめておいて、あとで譲歩する手法を使います。こうすると感情に落差が生まれたように見せる事が出来ます。この落差は本当に言いたい事を浮き彫りにさせてコントラストが利いてきます。でも本音の ”好き” という感情はなんら変わっていません。

 

この効果は登場している当事者同士より見ている観客が相手に伝わる感情を感じます。

 

このようにツンデレ1つとってもこれだけ組み合わせの原理を使って設計されています。
分析すれば組み合わせの組み合わせの組み合わせで物凄く複雑に見えますが、この仕組みはなんのことない、我々リアルの人が恋愛感情というものを経験するにあたって誰もが考えることです。それをデフォルメしたら面白く見せられた、それだけのことなのです。

 

シナリオにおいて肝心なのは 「結果的に観客が面白いと感じる」 ことを描写する、なのですがこの点は他のエントリーページで考えたいと思います。

 

組み合わせに要素の縛りはありません。なんでもいいのです。だからシナリオ、脚本の設計段階でも使えるし行き詰った時、なんとなく面白みが無いな、と感じた時、推敲時、ホン読みでダメだしされたときに検証すべき重要な手立てになります。

 

テーマでも柱の設定でも、ト書きの描写でも、セリフ磨きでもなんでも使えます。

 

気をつけたいのが組み合わせでつまらなくなる可能性もあるということです。やみくもにくっつければいいということではありませんので絶えず検証しながら客観的に面白くなるか考えながらの作業になります。

 

それに気付くには日ごろ自分が面白いと感じるもの、人、事象は、何と何の組合わせでそう思うのかを考えてみることが近道なのではないでしょうか。

 

テレビの映像を見てつまんないと感じるなら、自分だったら何の要素をどのように組み合わせれば面白くなるのではという意見を持つ事です。

 

これが作家の視点なのです。

 

こういう視点を持つと正直つまんないし管理者もつまんないものはアニメでも見ません。本当はそれではダメなのです。
でも自分だったらこうする、の考え方は持っていないとただの批判家でしかありません。我々の目的は批判することではないはずなのです。

 

これはシナリオスクールでも言ってました。それでも他人のシナリオを聞かされて批判しかしない人が大半です。結果、シナリオを書いた人は心折れてしまいます。それは間違いで作家になりたければ、自分が未熟と感じて謙虚な姿勢でシナリオと向き合うなら ”自分ならこうする” という意見を持ってしかるべきなのです。

 

話がまた逸れました。

 

組み合わせの原理で世の中は出来ています。なにげない日常でもちょっと目を凝らして見てみてください。
そういうふうに出来ているのです。

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